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VIDこれだけは知っておきたいアナログ用語

» 2015年04月08日 00時00分 公開
[PR/EDN Japan]
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VID

 VIDは、マイクロプロセッサやDSP、ASIC、ASSP、FPGAなどのデジタルLSIの演算コア部に最適な電源電圧を供給する仕組みのこと。「Voltage Identification」の頭文字を取った言葉である。

 多くの場合、デジタルLSIの演算コア部に供給する電源電圧は、+1.2Vや+1.5V、+1.8V、+3.3Vといった固定電圧である。こうした電圧を常時供給していても、デジタルLSIの動作に支障が生じることはない。しかし、電力を無駄に消費してしまうというデメリットが発生する。デジタルLSIを搭載する機器が携帯型(モバイル)であれば、電池駆動時間が大幅に短くなってしまう。致命的な問題となる。

 なぜ、無駄な電力を消費してしまうのか。それは、デジタルLSIが常にフル稼働の状態にあるわけではないことに起因する。搭載機器(アプリケーション)の動作状態によって、必要な処理性能は変化するからだ。従って、高い処理性能が必要な場合は、高い電源電圧を供給し、低い処理性能で構わなければ低い電源電圧を供給すればよい。こうした柔軟な電源電圧の供給を可能になるのがVIDだ。VIDを活用すれば、デジタルLSIの消費電力を削減でき、搭載機器の電池駆動時間を延ばすことが可能になる。

VID電圧プログラマも登場

 VIDの仕組みを利用するには、デジタルLSIとDC/DCコンバータ(電圧レギュレータ)が不可欠だ。これらの間を、複数のデジタル信号ライン(VIDライン)で接続する。そしてデジタルLSIから必要とする電源電圧値の情報(VIDコード)をDC/DCコンバータに送る。するとDC/DCコンバータは指定された電源電圧をデジタルLSIに供給する。

 VIDに対応するには、DC/DCコンバータにVIDコードを受け取る端子が必要だ。ただし端子がない場合でも、VID電圧プログラマICを使えば対応できる。これは、デジタルLSIから送られてきたVIDコードを受け取り、それに応じた電流値を出力するものだ。この出力電流をDC/DCコンバータのフィードバック(FB)端子に入力することで、VIDの仕組みを実現できる(図1)。

photo 図1 VID電圧プログラマICを活用 TIの「LM10011」を使えば、DC/DCコンバータがVID対応端子を備えていなくても、VIDコードに対応できる。

 VID電圧プログラマICは、さまざまアナログ半導体メーカーから製品化されている。例えば、テキサス・インスツルメンツ(TI)は、6ビットのVIDコードに対応した『LM10010』、6ビットと4ビットのVIDコードに対応した『LM10011』を製品化している。

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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2016年3月31日

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