メディア

USB3.1 Gen2の高速データレート“10Gbps”で変わったテスト要件USB3.1試験の課題(1)(3/4 ページ)

» 2015年04月24日 15時30分 公開
[Randy WhiteEDN]

トランスミッタ試験

 図1にUSB3.1 Gen2に要求されるトランスミッタ試験を示す。試験は大きく3つのグループに分類される。周波数拡散クロッキング(周波数拡散クロック発生)、ジッタや電圧あるいはアイマスクなどの伝統的PHY計測、LFPS(low-frequency periodic signal)のタイミングと電圧振幅の計測だ。10Gビット/秒に特有な試験は赤字で強調した。新たな計測項目は多くないが、Gen2試験は予想通りに許容限界が厳しい。

図1 USB3.1 Gen2トランスミッタ試験 (クリックで拡大)
新規試験項目を赤字で強調

 トランスミッタ試験は、まず、フィクスチャと位相整合ケーブルとの認定品セットを使用して供試デバイスに接続することから始まる。計測に入る前には、試験機材が校正され、チャンネルが差動波形に適合するようデスキューされていることを確認することが必要だ。使用するリアルタイムオシロスコープの帯域は、設計条件や他の条件によっては若干であれば、多い少ないも許容されるが、20GHz以上が推奨される。ジッタ解析ではCP10クロックパターンとCP9データパターンの両方を取り込む必要がある。これらの波形はソフトウェアチャンネルからの作用を受け(コンボリューション演算され)、その結果としてアイが閉じるが、リファレンスレシーバによって開かれる。

 図2は試験機器の代表的な接続構成だ。読者は図を見て疑問に思うかもしれない、フィクスチャ出力に直結されたオシロスコープで、どうやってファーエンド(遠端)での計測できるのかと。

図2 USB3.1トランスミッタ試験の代表的な構成 (クリックで拡大)
オシロスコープは少なくとも20MHzの帯域が推奨されることに注意されたい

 この場合、オシロスコープ内蔵のソフトウェアにより埋め込まれた長テストチャンネルが波形に作用し、その出力波形が後処理され、その結果(波形)が計測される。レシーバ入力端は信号発生器に接続されてバースト信号を受け、それにより対象試験項目に要求されるコンプライアンスパターンが切り替わる。ホストがCP9データパターンを送信している場合は、現在の試験に対応するCP10クロックパターンが要求されるので、パターンを切り替えるための20MHz信号のバースト2連が信号発生器からホストに送信される。

 チャンネルを埋め込むために使われるソフトウェアレシーバはアイを開くためにも働く。Gen1リファレンスレシーバでは受動素子により生成される極とゼロが利用された。Gen2リファレンスレシーバでは、アイマージンの改善を目標にアクティブ方式のACゲインパラメータが利用される。このことは、コンプライアンス試験に適用される最悪条件チャンネルに対応するための1タップのデシジョンフィードバックイコライザとともに必要になる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.