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従来品に比べスイッチング損失を半減、SJ構造を用いた耐圧600VのMOSFETインフィニオン CoolMOS C7シリーズ

インフィニオン テクノロジーズの「CoolMOS C7」シリーズは、スーパージャンクション(SJ)構造を用いたMOSFETの新ファミリである。従来の「CoolMOS CP」シリーズに比べて、オフ時の損失を50%も削減した。

» 2015年06月05日 14時00分 公開
[馬本隆綱EDN Japan]

 インフィニオン テクノロジーズは2015年6月、スーパージャンクション(SJ)構造を用いたMOSFETの新ファミリ「CoolMOS C7」シリーズを発表した。耐圧600Vの新シリーズは、従来の「CoolMOS CP」シリーズに比べて、オフ時の損失を50%削減している。サーバや通信機器、太陽光発電装置、産業機器などに用いる大出力のスイッチング電源用途に向ける。

 CoolMOS C7シリーズは、スイッチング損失を半減するとともに、GaN(窒化ガリウム)デバイスと同様な特性を実現している。単位面積当たりのオン抵抗は1Ω/mm2と小さい。効率はPFC回路で0.3〜0.7%、LLC(インダクタ‐インダクタ‐コンデンサ)回路では0.1%の改善を行うことができる。耐圧600VのCoolMOS C7シリーズを搭載した2.5kWのサーバ向け電源ユニットの場合、電力損失を従来に比べて約10%低減することができるという。

CoolMOS C7シリーズの外観

 CoolMOS C7シリーズは、ゲート電荷と出力容量が極めて低いため、効率はやや下がるものの、2倍のスイッチング周波数で動作させることが可能である。このため、スイッチング周波数を130kHzと、従来の2倍とすれば磁気部品のコストを最大30%削減することができると試算する。

 耐圧600VのCoolMOS C7シリーズは、300mmウエハーを使って製造され、第1弾としてオン抵抗が最大40〜180mΩの範囲にある製品を投入する。パッケージはTO-220、4端子TO-247などを用意する。4端子品は、高速過渡現象によるソースインダクタンスによる電圧降下を除去することが可能で、全負荷時の効率を最大0.4%向上させることができる。2015年7月以降は、TO-220FPやDPAK、D2PAK、ThinPAKなどのパッケージ品もサンプル出荷を始める予定だ。

コンプリメンタリドライバIC「2EDN7524 EiceDRIVER」の外観

 同時に、コンプリメンタリドライバIC「2EDN7524 EiceDRIVER」も発表した。2つの独立した非絶縁型ローサイドゲートドライバを搭載しており、それぞれに5Aの吹き出し電流と吸い込み電流を供給することができる。2チャネルとも立ち上がり時間と降下時間は5nsと速く、チャネル間の遅延時間マッチングは1nsである。出力段のオン抵抗が極めて小さいため、ドライバの消費電力を最小限に抑えることが可能だ。パッケージはDSO-8で供給する。量産開始は2015年8月を予定している。

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