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パワーエレクトロニクス最前線 特集
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» 2015年07月29日 11時00分 公開

近づきつつあるムーアの法則の限界:窒化ガリウムの時代が到来、シリコンに対する優位性がより明らかに (2/3)

[Tim Kaske(ON Semiconductor),EDN Japan]

そのためにGaNにできることは?

 シリコンのパワーデバイスは、大規模な性能向上が妨げられる段階に到達し始めています。そこから導き出されるのは、さらなる技術発展を支えるシリコンの能力が衰えつつあると結論付けざるを得ません。この状況を根本から覆す必要があることは明らかです。

既に述べたように、パワー半導体は次の属性を備える必要があります。

  1. 高い電力変換効率
  2. 高い電力密度/サイズの縮小
  3. 速いスイッチングスピード
  4. コスト有効性

 ICの目的に応じて、これらの属性の重要性には差が生じます。GaNは、すべての基準を満足させる非常に有利な立場にあります。今すぐ実現できる部分もあり、将来実現可能となるものもあります。

 どのパワーシステムの設計でも一定のパワー変換ロスは存在していますが、GaNは、バンドギャップの幅が広いため、シリコンよりもロスが大幅に低くなります。これは、すなわちパワー変換効率の向上につながります。GaNのダイは同等のシリコンのダイよりも小型化できるため、この技術を用いたデバイスは小さい寸法でパッケージ化できます。

図2:GaNとシリコンの製造プロセスの類似性

 GaNは、その高速電子移動度により、速いスイッチングスピードを必要とする回路で使用すると効率性が非常に高くなります。図2は、GaN HEMTデバイスの物理的構造および既存のMOSFET技術との類似性を示しています。GaNの横方向の電子流動は、低い伝導損(低オン抵抗)と低いスイッチングロスを実現します。

 また、スイッチングスピードの向上はスペースの節約につながります。というのは、パワー回路に含まれる受動部品の数を減らし、付随するコイルをはるかに小型化できるからです。GaNのパワー変換効率が高いことは、放散すべき熱が少なく、放熱の目的で割かなければならないスペースが減ることを意味します。

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