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理想的なインターコネクト規格を探るオープンコンピューティング向けインターコネクト[後編](5/5 ページ)

» 2015年10月30日 13時00分 公開
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プロプライエタリ(独自規格)ソリューション

 プロプライエタリ(独自規格)と評価されたテクノロジはそれぞれ、いくつかの側面があります。真のプロプライエタリテクノロジと、冒頭の表1にリストされたその他のテクノロジの間の重要な差異は、インターコネクトの相互運用性に関する公開仕様の利用可能性です。公開仕様を使用することで、エコシステムの他のデバイスと相互運用できるデバイスを作ることができ、これによって、競争やイノベーションが刺激されます。オープンな仕様がないことは、市場に参入して競争するには高い障壁となります。また、インターコネクトテクノロジの変更にはインフラとアプリケーションの大規模なポーティングを要するため、顧客にとって市場撤退の障害も高くなります。

 統合されたプロプライエタリソリューションは、優れた電力効率とトップの帯域幅を提供できます。明らかでないことは、他の能力と、これらの能力の質です。一部の能力が1つの世代のデバイスにあるとしても、他のデバイスにはない場合があります。正確な比較には、プロプライエタリインタフェースへのアプリケーションのポーティングが必要となる場合があるため、プロプライエタリテクノロジの評価は問題があります。またこれはかなりの労力を要するかもしれません。このような評価がなければ、使用可能な情報の大半はマーケティングの誇大宣伝になってしまいます。

 ムーアの法則の終わりが近づいており、これは、半導体産業が現在、1つのデバイスにフィットできるプロセッサのサイズと数の限界を探求していることを示しています。先ほど述べたように、単独のプロセッサでは解決できない多くの種類の問題があります。これは、高性能コンピューティングの向上は、アクセラレーションエンジン、ソフトウェア、インターコネクトテクノロジの創出によって推進されることを示しています。プロプライエタリソリューションは、オープンなエコシステムのイノベーションの速度を維持できません。

結論

 ムーアの法則の終結により、より小さなジオメトリプロセステクノロジを使用して、シリコンの問題をより管理可能なサイズに縮小することはもはや不可能となっています。データ生成の速度の増加や非常に多様なビッグデータ分析アプリケーションは、多くのさまざまな企業による専門的なイノベーションのみによって実現されます。理想的な、オープンなインターコネクトテクノロジによって初めて、エクサスケールコンピューティングの夢を実現するこれらのイノベーションを接続できるのです。

 しかしながら、そのようなインターコネクトテクノロジは今日存在しません。プロプライエタリソリューションは、全てのアプリケーションを網羅できるほど迅速に幅広く革新できません。PCIeとInfinibandは、効率性とスケーラビリティに影響を及ぼす多くの制約があります。Ethernetテクノロジの場合、基本的な想定により、高性能、低遅延、エネルギー効率の高いコンピューティングには全く適していません。RapidIOエコシステムは競合と比べると速度が遅すぎ、ソフトウェア対応の制限が多すぎます。

 ただ、全ての競合の中で、RapidIOは、理想的でオープンなインターコネクトになる最高のチャンスを秘めています。RapidIO仕様はオープンで、実証されたシリコンの相互運用性があり、中小・大規模のエネルギー効率の高い、パフォーマンスが極めて重要なコンピューティングの重要な問題に対処します。RapidIOには、幅広い産業に対応する、大規模な相互運用可能なエコシステムがあります。主要なプロセッサベンダーは、コラボレーションとイノベーションの実証されたモデルを使用して、RapidIO仕様を推進しています。最後に、RapidIOには、トップの帯域幅とソフトウェアサポートに関する短期的な制約を克服する明確な道筋があります。

 「もし、何が欲しいと顧客に尋ねたのなら、もっと速い馬だと答えただろう」という、エクサスケールのテーマにふさわしい、ヘンリー・フォードの有名な言葉があります。フォードのソリューション、自動車は馬より速かったのです。あまりよく知られていないのは、少なからず、人口密度の高い都市において馬糞をなくすことを含め、自動車はその他多くの馬に関連する輸送問題を解決したことです。ムーアの法則によって、高性能システム開発者が長年、もっと速い馬を求めることが可能となりました。エクサスケールの馬を求めるだけでは、エクサスケールコンピューティングの本当の問題を解決できません。私たちは脳を使わなければならないのです。

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