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Quad SPIって何?Q&Aで学ぶマイコン講座(20)(2/4 ページ)

» 2015年11月26日 11時30分 公開

2クロックで8ビットのデータ通信

 ここでは例として「STM32F7シリーズ」(STマイクロエレクトロニクス製)に搭載されているQuad SPIを使って説明します。

 通常のSPI(Serial Peripheral Interface)はクロックと入力データ、出力データ、チップセレクト信号を使って、1クロックごとに1ビットを送ってデータ通信を行います。

一方、Quad SPIはデータ線を4本使い、1クロックで4ビットを1度に通信します。図2に通信プロトコル別のデータフォーマットを示します。

図2:データフォーマット (クリックで拡大)

 Quad SPIモジュールがサポートする通信プロトコルモードは、「Single SPIモード」「Dual SPIモード」「Quad SPIモード」です。

 Single SPIモードは、信号名は違いますが、全二重3線式の通常のSPI通信*)です。1クロックにつき1ビットを送りますので、1バイト(8ビット)通信には8クロック必要です。Dual SPIモードでは、半二重通信です。1クロックにつき2ビットを送りますので、1バイト通信を4クロックで行います。

 さらにQuad SPIモードは、これも半二重通信で、1クロックにつき4ビットを送りますので、1バイト通信を2クロックで行います。データ部だけに注目して見ると、Dual SPIは半二重通信ですが、通常のSPIよりも2倍速い通信ができることになります。Quad SPIは、信号線は4本必要ですが、通常のSPIよりも4倍速い通信ができることになります。

 Quad SPI ICとの接続図は図1に示した通りです。

  • CLK:クロック出力です。
  • BK1_IO0/SO:Dual/Quadモードの時は双方向のIO、Singleモードの時はシリアル出力信号。
  • BK1_IO1/SI :Dual/Quadモードの時は双方向のIO、Singleモードの時はシリアル入力信号。
  • BK1_IO2 :Quadモードの時は双方向のIO。
  • BK1_IO3 :Quadモードの時は双方向のIO。
  • BK1_nCS :チップセレクト信号。

*)通常のSPIについては「マイコンとEEPROMを接続する方法を教えて」をご参照ください。

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