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» 2015年12月09日 11時30分 公開

Wired, Weird:シーケンサの修理(2)CPU異常の原因も電解液!? (2/3)

[山平豊(ケイティーエス),EDN Japan]

問題は電源基板か

 CPU異常の表示の原因が電源基板に残っていそうだ。そこで、あらためて電源基板の各端子の信号波形をオシロスコープで確認した。すると、電源基板のコネクタに接続されたフォトカプラから信号が出ていないことが分かった。このフォトカプラは漏れた電解液が付着したフォトカプラだった。図4に示す。

図4 電解液が付着したフォトカプラ(黄色の線で囲んだ部分)。なお、赤い線で囲んだ部分に、電解液が漏れた痕が残っている。

 図4の赤い線で囲んだ部分は電解液が漏れた痕であり。左側のフォトカプラPC1(TLP520)の下まで液が流れていた。PC1のコレクタ出力が右側の茶色のコネクタを通してシーケンサのIO基板へ接続されていたが、コネクタの端子には何の信号も出ていなかった。

 PC1を基板から外して単体で確認した。フォトカプラのLEDには電流は流れたが、出力のトランジスタがオンしなかった。やはりフォトカプラが破損していることは間違いない。フォトカプラのTLP520は双方向にLEDが入ったフォトカプラで、AC電源の信号(周波数)をクロックとしてCPU基板へ伝える動きをしていると思われた。

 TLP520を手配して電源基板に実装した。しかしまだコネクタの端子にACクロックが出力されなかった。LED側の電圧をオシロスコープで確認したら0.6V程度のサイン波形だった。フォトカプラの赤外LEDの順電圧VFは1.1V程度でLEDが動作するには0.6Vでは電圧が低すぎた。フォトカプラのLEDに流れる電流が足りないようだ。

 マルチメータでフォトカプラの周辺の抵抗の値を測定した。その結果抵抗の表示と実測値が合わないものが見つかった。(図6に黄色の四角で表示)この抵抗の表示値は15kΩだが測定値は300KΩを超えていた。恐らく4級アンモニウム塩の強アルカリの電解液が抵抗の内部へ入り込み、抵抗皮膜を断線させたのだろう。

 この抵抗を交換したら、フォトカプラの出力からACクロックの波形が出た。これがCPU異常表示の原因だろう。電源基板をシーケンサへ組み込んで動作を確認した。図5に示す。

図5 電源基板をシーケンサへ組み込んで動作を確認したところ

 やっとCPU-Eの表示である赤いLEDが消えた。これでシーケンサも修理完了だ。今回はシーケンサのハード構成が理解できていなかったので、修理にだいぶ回り道をしてしまった。

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