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» 2016年01月22日 11時30分 公開

新・製品安全規格「IEC 62368-1」の動向と移行方法2019年6月のマイルストーンに向けて(2/4 ページ)

[金野郁郎(UL Japan),EDN Japan]

新規格導入時期の検討

 規格の学習と合わせて検討すべきもう1つの要素として、既存規格の失効時期と新規格導入のタイミングの問題があります。図1に移行までのタイムテーブルを示します。

図1 「IEC 62368-1」移行までのスケジュール (クリックで拡大)
注)欧州指令では期限(DOW)以降、市場に新たに投入される製品は全て新規格に適合する必要があります。
これに対し北米のUL認証では期限(Effective Date)以降に発行される認証に新規格を使用しなければなりません。AV/ITEの分野では旧UL規格での既存認証は製品に変更がない限り継続が認められ期限後も市場投入が可能です。UL規格の期限(Effective Date)はEN規格の期限(DOW)に合わせてULが設定したものであり、c-ULを含むUL認証プログラムに適用されます。

 従来のAV規格:IEC 60065および、ITE規格:IEC 60950-1は2019年6月20日以降、新規製品に適用できなくなり、IEC 62368-1に適合することが求められます。この期限をDOW(Date of Withdrawal)といい、この日を境に、同じ製品カテゴリーに対し、新旧両規格を選択して使用できる期間が終了するとともに、旧規格が失効します。また、IEC 62368-1への対応は2019年6月までの約3年半の間(2015年末現在から起算)に行えばよいと思われそうですが、もう1つ考慮に入れなければならないことがあります。それはIEC 60065、IEC 60950-1それぞれの改訂への対応です。

IEC 60065、60950-1それぞれの最新版への移行

 現在IEC 60065の最新版は第8版であり、第7版から第8版への移行時期にあります。第7版の使用が終了するDOWが2017年11月17日となっていますので、この日までに、現在第7版を使用されている製造者は、第8版に切り替える必要があります。同様にIEC 60950-1の最新版は第2版Amendment 2で、Amendment 1までを含むバージョンを使用している場合、Amendment 2への移行期限(DOW:2016年7月2日)までに、Amendment 1から最新版のAmendment 2へ移行することが必要になります。

 さらに、IEC 62368-1が強制発効する2019年6月20日をもって、IEC 60065および、IEC 60950-1はともにDOWを迎え、使用が終了しますので、現在IEC 60065第7版、またはIEC 60950-1第2版Amendment 1を使用している製造者は、段階を踏んでそれぞれの最新版へ移行した後、さらにIEC 62368-1へ移行するか、直接IEC 62368-1へ移行するか、選択しなければなりません。それぞれのケースによる規格移行シナリオのイメージを図2図3に示します。

図2 シナリオ#1:従来規格(60065、60950-1)の最新版へ移行したのちに62368-1に移行するケース (クリックで拡大)
図3 シナリオ#2:従来規格(60065、60950-1)の最新版への移行をせずに62368-1に直接移行するケース (クリックで拡大)
注)図中のラインは移行シナリオを期限との関連で示すために期限直前に規格を切り替える形で記載していますが、期限前の早期の切り替えを推奨します。

 上記のように現規格の改訂の段階を踏むかどうかの判断に加え、最終的にIEC 62368-1へ移行する準備も進めなければなりません。2019年の期限いっぱいまで従来規格を使用する場合は、その前に現行規格の最新版へ対応しなければなりません(シナリオ#1)。また、現行規格の最新版への対応を省略し62368-1へ直接移行する場合は、現行規格最新版のDOWまでに62368-1への移行を済ませなければならないことになります(シナリオ#2)。

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