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ブラシレスDCモーターの利点と課題解決例ブラシ付きモーターに置き換わりつつある(3/4 ページ)

» 2016年03月10日 11時30分 公開

ハードウェアとソフトウェアの相互作用および回路ソリューション例

 モーション制御システム内部でハードウェアとソフトウェアの効果的な相互作用ができるかどうかは、利用可能なチップ周辺機能にどのような機能があるかに依存する。表2は、図2に示すシステムを、センサーレス6ステップ転流方式の採用とともに、回転数と電流の制御、診断と通信スタックの機能も組み込んで実現するためのアプローチをまとめたものだ。ソフトウェアアーキテクチャは、例えば、割り込み付きの単純ラウンドロビンでよい。

表2 周辺機能の概要
機能 予備機能 周辺ブロック インターラプト 備考
システム全体およびバックグラウンドでのタスク ソフトウェアタスクの周期コール CPU/ソフトウェア、タイマー/ARM SYSTICK タイマー/ARM SYSTICKタイマー 周期的なタスクの実行用
モーター制御 モーター駆動/モーターステートマシン MOUTx、EPWM、BEMFC、CAPCOM EPWM、BEMFC、CAPCOM 通信、PWM変調、アクティブ/パッシブフリーホイーリング、逆起電圧の評価
RPMおよび電流制御 タイマーまたはEPWM タイマーまたはEPWM モーターステートマシン内での周期的タスク
モーター電流の測定 ADC EPWM、ADC 電流サンプリング時間によるEPWMによってトリガーされるIRQ
トルク生成を維持するための定電流 8ビットDAC、EPWM 非セルフロックギア上で使用できるようになる。HVCF 4223Fは、この目的のために、“電流制限”機能を補償する。
診断および監視 ストール検知 ADC ADC ADCの測定を介した周期的タスク
低電圧/過電圧 MON/BVDD、コンパレータ OV/UVインターラプト 電源をモニタリングするための周期的タスク
温度管理用の周期測定 ADC タイマー θJとθAのモニタリング。内部の温度センサーは、ADCで読み取れる。外部のNTCは、ADCによってLGPIOポートを経由する
プログラムフローの監視 デジタルウォッチドッグおよびウィンドウウォッチドッグ プログラムフローのモニタリング。独立して搭載された補助オシレーターの時間をベースにした、ウィンドウウォッチドッグ
診断データの保存 NVRAM 例)カウンターのように周期的に変動するミッションデータの保存。ソフトウェアのバージョンのように、一度のみ変更されるデータの保存
通信 LINバスのソフトウェアスタック LIN-UARTおよびLINポート LIN-UART LIN2.xの仕様による
[略記]ADC=A-Dコンバーター/BEMFC=Back Electromotive Force Comparator/CAPCOM=Capture Compare Timer/EPWM=Enhanced Pulse-Width Modulator/LIN=Local Interconnect Network/MON=Supply Monitoring Pin/MOUTx=搭載されたモーターブリッジの端子
図2 図2 BLDCモーター使用のシステム例

 このシステムに対する基本回路ソリューションの概要を図3に示す。モーター用の外部部品数は最少12個まで減少する(図3内の表を参照)。特別なシステムESDおよび/あるいはEMC要求がある場合は、例えば、DC給電リンクあるいはLIN信号パスにフェライトビーズなど幾つかの付加部品が必要だ。

図3 図3 基本回路ソリューション

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