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スマートグリッド機器の送電効率を向上させるICアナログ・デバイセズ AD7616

アナログ・デバイセズは、送電効率を向上させる新しいデータアクイジションシステム(DAQ)向けIC「AD7616」を発表した。設計を簡素化し、障害検知機器の開発コストを抑えるという。

» 2016年09月27日 09時00分 公開
[EDN Japan]

16チャンネルのデュアル同時サンプリングを集積

「AD7616」のイメージ

 アナログ・デバイセズは2016年9月、家庭や企業への送電効率を向上させる新しいデータアクイジションシステム(DAQ)向けのIC「AD7616」を発表した。80ピンLQFPパッケージで、1000個購入時の単価は11.96米ドル。同年10月より量産出荷を開始する。

 AD7616は、スマートグリッド機器のモニタリングを強化し、システム障害を防止する。測定精度は誤差0.2%未満で、高速で高精度ながら障害検知機器の開発コストを抑える。これにより、保護リレー装置(電流や電圧の急激な変化から電気回路を保護するための装置)が損傷した場合の修理、交換コストが最小限で済むという。

 同ICは16チャンネルのデュアル同時サンプリングを集積しており、多チャンネルアプリケーションに必要だった部品点数を削減して設計を簡素化。システムコストを削減する。外付け保護回路やシグナルコンディショニングは不要だ。

 高精度の内蔵型ADCは、90dBのSNRを提供。正確で信頼度が高く、時間位相のそろったデータを生成する。内蔵のオーバーサンプリングモードを使用すれば、92dBのSNR性能を発揮することもできる。また、5V単電源で動作し、フィルタリング機能を内蔵しているため、高入力インピーダンス(1mΩ)に対応できる。

 電力会社は、電力需要の拡大と再生可能エネルギーによる発電の登場により、送配電網のモニタリング範囲を広げてデータ粒度と精度を向上することが求められている。同社は、「AD7616によって、既存のDAQ向けICでは複雑な設計や、コストが掛かる統合を必要としていたケースにも対応できる」とした。

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