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» 2016年10月26日 11時30分 公開

Q&Aで学ぶマイコン講座(31):マイコン周辺回路設計テクニック ―― 電源編 (3/4)

[菅井賢(STマイクロエレクトロニクス),EDN Japan]

その他の電源設計の“落とし穴”

 次に、私が経験した電源に関するトラブルを例に、電源設計の落とし穴を解説します。

1)グランドノイズ

 ノイズといえば電源(Vdd/Vcc)側を気にすると思いますが、グランド(Vss/GND)に乗るノイズもおろそかにしてはいけません。電源投入時の突入電流や、マイコンが動作中に、GPIOのオン/オフなどで発生する大電流がグランドラインに瞬間的に流れ込むと、マイコンの内部やプリント基板のグランドラインの寄生抵抗によって、グランドの電位が上がります。これをグランドノイズと呼びます。

 グランドの電位が上がりますので、電源電圧を下げるノイズと同じ現象になり、誤動作を引き起こします。図4(a)にグランドラインの起きた実例と図4(c)に再現実験の実測波形を示します。

図4:グランドノイズの実例、対策例 (クリックで拡大)

 過去に、家電製品とコンシューマー機器の開発段階で同じようなトラブルがありました。どちらもマイコンと他のICを接続して信号のやりとりをするのですが、グランドラインが弱かったために、他のICとの信号のやりとりが正常にできない現象が発生しました。

 この場合の厄介な点は、大もとの電源のグランドを基準にして、電源ラインや通信データをオシロスコープで観察しても正常で、原因が見つかりません。結局、マイコンのプリント基板と他のICのプリント基板が分かれていたので、両者を結ぶグランドラインを強化してみると、誤動作が収まりました。

 恐らくマイコンの動作中に、なにかしらの大電流がグランドラインに流れ込み、グランドの電位が瞬間的に上がって、誤動作になったと思われます。

対策例

 電源線/グランド線の寄生抵抗を低くする手段として有効なものにベタパターンがあります。また、各回路のアースを1点から取ること(図4(b))で、グランドラインの寄生抵抗のバラツキを低減する方法もあります。

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