メディア

“時限装置”を取り除け! 5分で暗くなる液晶の修理Wired, Weird(1/3 ページ)

今回は、通電後、5分で表示が暗くなってしまう液晶パネルの修理の様子を報告する。なぜ、5分ほどで決まって暗くなるのか――。まずは、原因から探っていこう。

» 2016年11月14日 11時30分 公開

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

⇒「Wired, Weird」連載バックナンバー一覧

5.6インチのTFTフルカラーモジュール

 モニターに使用された液晶ディスプレイ(LCD)パネルの修理依頼があった。このモニターには5.6インチのTFTフルカラーモジュールが使用されていた。修理依頼書には『通電すると数分後に電源が切れる』と書いてあった。DC12Vの専用のACアダプターも添付されていたので通電して確認すると、依頼書の通り、5分程度の通電でLCDパネルの表示が暗くなった。今回はLCDパネルの修理の報告を行う。なお、メーカーや製品名が出ないように配慮している。

 LCDパネルの固定ネジ4個を外し、基板の固定板も外して基板の実装部品を確認した。図1に示す。

図1:LCDパネルの内部写真 (クリックで拡大)

 図1の左側の基板の外側に表示パネルがあり、右側の2枚の基板はコネクター基板だ。コネクター基板を介して外部から電源と信号が接続されており、この基板に輝度などの調整回路も実装されていた。

 左側の基板の下側にコイルが見えるあたりが電源回路だ。この電源回路を確認したら、降圧DC-DCコンバーターICの「G5642」が実装されていた。DC-DCコンバーターICと周辺部品の写真を図2に示す。

図2:DC-DCコンバーターICと周辺部分 (クリックで拡大)

バックライト表示用電源部のコンデンサーが……

 G5642のデータシートを確認したら、2チャンネルのDC-DCコンバーターが内蔵されていた。図2の回路はDC5V出力で、制御用の電源を生成していた。もう1チャンネルがパネルのバックライト用の電源と思われた。バックライト表示用の電源部を図3の四角く囲った赤枠に示す。この部分の出力電圧は11.5Vだった。

図3:バックライト表示用の電源部を赤枠で囲った (クリックで拡大)

 図3で読者は気が付いたと思うが、下側の赤枠内にある2個の電解コンデンサーの文字が薄く黒の極性表示が脱色している。図3の上側にある2つの電解コンデンサーは正常な黒色だ。この色の差はなぜ生じたのだろうか?

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.