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特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2017年01月19日 11時30分 公開

IoT時代の無線規格を知る【Thread編】(9):Threadにおけるボーダールーターの役割(後編) (3/4)

[水谷章成(Silicon Labs),EDN Japan]

外部コミッショナーを使ったジョイニング

BR1とCがR2の参加を認めるコミッショニングリレーを行う (クリックで拡大)

 ユーザーにより、新しいノードであるR2をネットワークに参加させるためジョイニングが開始された。R2は通信手段としてThreadインタフェースのみを持つ。外部コミッショナー(C)は、先に述べたようにペティショニングを終えている。

 Threadネットワークトポロジーとしては、BR1とR1のどちらかがジョイナールーターとして選ばれる。最もシンプルなケースはBR1が選ばれる場合で、最初のDTLSハンドシェークが直接R2からBR1に送られることになる。R1がジョイナールーターとして選ばれた場合は、R2とBR1のDTLSハンドシェークがR1を経由し、セキュアなThreadネットワーク内でTMFメッセージにより中継がされる。BR1は、外部ネットワークのコミッショナーCとペティショニングを行った際に確立したセキュアなコミッショニングセッションを利用して、ジョイナーR2からのDTLSハンドシェークをCに転送する。

 コミッショナーとジョイナーのハンドシェークが完了し、BR1がジョイナールーターである場合は、BR1はコミッショニングの結果得られた鍵を使用してネットワークパラメータとセキュリティ情報をジョイナーR2にセキュアに配布する。

 R2の参加が完了すると、リーダーとしてのBR1からネットワークデータアドバタイズを受信して、DHCPv6を使いグローバルのアドレスの割り当てを受ける。

ボーダールーターの役割:外部ルーティング、リーダー、コミッショニングリレー、ジョイナールーター
ボーダールーターから移管した役割:コミッショナー


リーダーの役割が移管

BR1が使用不能になり、R1がリーダーの役割を引き継いだ様子 (クリックで拡大)

 ユーザーは、メンテナンスを行う場合などで一時的にデバイスBR1の電源を落とすかもしれない。BR1はリーダーでもあったため、一定時間Threadネットワークにアクティブでない場合、他のデバイスがリーダーの役割の移管をする。

 ここでは、R1が新しいリーダーとなると仮定する。新しいリーダーとして活動を開始すると、Threadネットワークデータはリセットされる。ネットワーク内にボーダールーターがアクティブでない状態となり、新しいリーダーR1が通達する新しいThreadネットワークデータのアドバタイズには、外部ルーティング情報は含まれない。

BR1がネットワークに復帰するが、R1がリーダーの役割を継続する様子 (クリックで拡大)

 BR1の電源が再度投入されると、BR1はR1が新しいリーダーと認識し、TMFを使い外部ルートとDHCPv6情報をThreadネットワークデータ向けに送る。R1はBR1を外部ルートであると通知を開始し、外部ネットワークへのルートが再開される。

 新しいデバイスがThreadネットワークに参加する場合、コミッショナー(C)との間に新しいペティショニングセッションが必要となる。新しいリーダーR1は、複数のコミッショナー候補の間でペティショニング調整を行う。

 TMFメッセージがBR1とリーダーR1との間で交わされ、BR1は外部ネットワークにあるコミッショナーの代理として活動したり、自身をコミッショナーとして登録したりする場合が想定される。コミッショニングプロセスは以前解説したのと同様に行われる。

ボーダールーターの役割:外部ルーティング、コミッショニングリレー、グローバルプレフィックスのDHCPv6サーバ
ボーダールーターから移管した役割:リーダー、コミッショナー


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