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技能検定3級シーケンス制御作業にチャレンジ【後編】Wired, Weird(2/3 ページ)

» 2017年04月17日 11時00分 公開

まずはI/O割付設定から

 そろそろシーケンサーを使った実作業に入ろう。まずI/O割付の設定だが、演習問題の【I/O割付表】の上から順に、入力がX0-X5、出力がY0-Y5とした。

 最初のプログラムはシステムの起動回路の作成だ。起動スイッチを押すと電源が入って自己保持し、停止スイッチを押すと自己保持が切れるように作成する。

 次は荷物を移送するプログラムの作成だ。まず配送スイッチを押すとモーターが右回転してケースに入れた荷物をA位置からB位置へ送る。ケースが到着したらB位置センサーが感知して、搬送ベルト(モーター)を止める。B位置で荷物を受け取って、返送スイッチを押すとモーターを左回転させてケースをA位置へ戻す。ケースが戻ったらA位置センサーが感知してモーターを止めるようにプログラムする。

 最後は、各々のシーケンス状態に応じて外部への出力を設定するプログラムの作成だ。このシーケンスには5つの状態が発生するがこれをM0, M1, M2, M3の内部リレーで構成する。

  • 動作1、オンなし
    • 荷物ケースがA地点にあり、搬送スイッチの操作待ち
  • 動作2、M0オン
    • 荷物ケースがB地点へ移送中
  • 動作3、M1オン
    • 荷物ケースがB地点へ到着し停止中で、返送スイッチの操作待ち
  • 動作4、M2オン
    • 荷物ケースがA地点へ移送中
  • 動作5、M3オン
    • 荷物ケースがA地点へ到着し停止中で、5秒後に動作1へ戻る

 この5つの状態のシーケンスの推移はスイッチ操作やセンサー感知で行なわれる。

 このように内部スイッチ『M』でシーケンス動作の順番を決めておけば、シーケンサーの信号を出力は内部リレー『M』の論理で決められるので『二重コイル』のミスを防止できる。またケースの移送中の点滅表示は、M0とM2のOR回路がオンのときに表示用ランプを点滅させる。これを実現したプログラムを図1に示す。

図1:作成したプログラム (クリックで拡大)

 図1のラダーは4つのブロックがある。上から起動回路、シーケンス回路、出力制御回路、点滅回路となっている。全部で57ステップあるが、分かりやすくするため、あえて短いステップで作った。なおシーケンス回路はセンサー入力でステップアップされるが、最後のステップでタイマーがタイムアップすると内部メモリーのM0をクリアするようにする。M0がクリアされると、M1からM3の内部メモリーがクリアされ、シーケンスが初期状態に戻る。

 出力制御部を入れたことでプログラムが少し長くなったが、これで2重コイルの発生を防止できる。繰り返しになるが同じ出力を2回使うと、コンパイルはできるが正常に動作しない『2重コイル』になるので要注意だ。点滅回路の動作は前回に説明したので、省略する。

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