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過電圧と低電圧の監視を低コストで実現するDesign Ideas パワー関連と電源(2/2 ページ)

» 2017年10月16日 11時00分 公開
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動作確認

 実際にこの回路を試作して動作確認を行った。スーパーバイザーICはしきい値電圧が4.63Vの品種を用いている。従って電源電圧の下限値(VLOW)は4.63Vになる。R1とR2は10kΩのポテンショメーター(可変抵抗器)1個で代用した。R1が7.75kΩ、R2が2.25kΩになるようにポテンショメーターを設定した。すなわち電源電圧の上限値(VHIGH)を5.5Vに設定したことになる。

 電源電圧が下限値よりも低いときは、リセット信号出力(RST)端子の論理レベルはローレベルのままである。この状態から電源電圧が上昇して下限値を超えると、RST端子は最短で140msの期間、ローレベルを維持した後、ハイレベルに遷移する(図2)。電源電圧が過電圧状態から下降して上限値に達し、正常値に戻った場合にも、RST端子は最短で140msの期間、ローレベルを維持してから、ハイレベルに変化する(図3)。また、電源電圧が正常値から上昇して上限値を超えると、RST端子が直ちにハイレベルからローレベルに変化してマイクロプロセッサをリセット状態に設定する(図4)。電源電圧が正常値から下降して下限値を割り込んだ場合にも、RST端子はすぐにハイレベルからローレベルに変化して、ローレベルを維持する(図5)。

図2:電源電圧が立ち上がるとリセット状態を解除 (クリックで拡大)
電源電圧が立ち上がるとリセット信号出力端子がハイレベルに遷移して、マイクロプロセッサのリセット状態を解除する。電源電圧が正常値に達してからリセット状態を解除するまでに最小140msの遅延時間を設けてある。
図3:過電圧状態の解消を検出 (クリックで拡大)
過電圧状態が解消されると、最小140msの遅延時間の後、リセット状態を解除する。



図4:過電圧状態を検出する (クリックで拡大)
過電圧状態を検出すると、直ちにリセット信号を出力し、マイクロプロセッサをリセット状態に設定する。
図5:低電圧状態を検出する (クリックで拡大)
低電圧状態を検出した場合には、直ちにリセット信号が出力される。




Design Ideas〜回路設計アイデア集

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※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事から200本を厳選し、5つのカテゴリーに分けて収録した。

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