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7日以上の連続記録が可能な温度データレコーダーDesign Ideas 計測とテスト

約178時間にわたって温度データを連続記録できる、ICを利用したデータレコーダーを紹介する。

» 2018年03月05日 11時00分 公開
[EDN Japan]

約178.42時間の温度データを連続記録

 本稿ではICを利用したデータレコーダーを紹介する(図1)。このレコーダーは約178.42時間、日数にして7.434日間にわたって温度のデータを連続記録できる。

図1:ICで構成した温度データレコーダー (クリックで拡大)
このレコーダーの記録時には、入力のアナログ信号がA-Dコンバーターによってデジタルデータに変換され、そのデータがSRAMに格納される。アナログデータとして再生するときには、記録再生スイッチをオープンにする。それにより、SRAMに格納されたデータがD-A変換され、バッファを経由して出力される。

 温度情報は温度センサー(トランスデューサー)の「LM35DZ」によってアナログ電圧に変換される。このアナログ電圧はA-Dコンバーター「HI5812」によってデジタルデータに変換され、それが不揮発性SRAMの「DS1270W」に3.265サンプル/秒のレートで格納される。

 格納したデータを再生する際には、そのデータをSRAMから読み出し、D-Aコンバーター「DAC08」によってアナログ信号に変換する。D-Aコンバーターの出力は電流電圧変換が施され、アナログスイッチ「MC14066」とバッファアンプを経由して出力される。

 アドレス発生部はカウンター「MC14040」を使用して簡単に構成している。記録、再生時のSRAMデータの書き込み、読み出しはリセット用スイッチによって制御する。10kΩのポテンショメーターはA-DコンバーターとD-Aコンバーターで使用する基準電圧の設定に用いる。

 リセット用スイッチをいったん押して放すと、メモリアドレスの初めからデータの記録あるいは再生が始まる。記録モードと再生モードの選択は、記録再生スイッチで決める。このスイッチを閉じると記録モードになり、オープンにすると再生モードになる。

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※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事から200本を厳選し、5つのカテゴリーに分けて収録した。

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