メディア
ハウツー
» 2018年05月21日 11時00分 公開

DC-DCコンバーター活用講座(18) データシートの理解(4):DC-DCコンバーターの絶縁と出力リップル (4/4)

[Steve Roberts(RECOM),EDN Japan]
前のページへ 1|2|3|4       

出力リップル/ノイズ

 全てのDC-DCコンバーターは、出力リップル/ノイズ成分を含んでいます。リップル成分は出力フィルターコンデンサー中の充電電流および放電電流に起因し、その周波数は一般的に、トポロジーに応じて動作周波数またはその2倍です。

図6:出力リップル/ノイズ

 メインスイッチの状態が変化するたびに、全ての寄生効果によって生じるスイッチングスパイク(ノイズ)が基本的なリップル波の上に重なります。これは、リップル波の全ての山と谷で生じます。スイッチング過渡現象の発生頻度は一般的にリップル周波数より何桁か高く、大体MHzで表されるような値になります。組み合わされた波形は、出力リップル/ノイズ(R/N)値を示し、普通、ミリボルトピークトゥピーク(mVp-p)で表されます。

 このほかにも、出力電圧レギュレーション回路か発生する非常に遅い振幅が、出力リップル/ノイズ波形の上に重なります。負荷と入力電圧が一定の場合の出力電圧は、Hzを単位とする一桁の周波数の許容帯域内で上下します。「ハンチング」と呼ばれるこの効果は、レギュレーターのヒステリシスによって生じ、データシートにあるR/N値では考慮されていません。というのは、ハンチングは出力電圧精度の仕様の一部であり、R/N仕様には含まれないからです。

図7:出力電圧の「ハンチング」

 出力リップルを減らすために出力コンデンサーを追加したくなりますが、この方法ではp-p値はわずかに減らせても、リップル波形を完全に除去することはほとんどできません。実際、サイクル単位の制御を行うコンバーターにとって、正しいレギュレーションを行うためには、ある程度の出力リップルは必要不可欠なものです。

実用的ヒント

 R/Nを減らすためのより効果的な方法は、リニアレギュレーターを用いてポストレギュレーションを行うことです。リニアレギュレーターによる電源リップル除去比(PSRR)はとても高く(最大で70dB)、非常に有効なリップルフィルターになります。



⇒「DC-DCコンバーター活用講座」連載バックナンバーはこちら


執筆者プロフィール

Steve Roberts

英国生まれ。ロンドンのブルネル大学(現在はウエスト・ロンドン大学)で物理・電子工学の学士(理学)号を取得後、University College Hospitalに勤務。その後、科学博物館で12年間インタラクティブ部門担当主任として勤務する間に、University College Londonで修士(理学)号を取得。オーストリアに渡って、RECOMのテクニカル・サポート・チームに加わり、カスタム・コンバーターの開発とお客様対応を担当。その後、オーストリア、グムンデンの新本社で、RECOM Groupのテクニカル・ディレクタに就任。



※本連載は、RECOMが発行した「DC/DC知識の本 ユーザーのための実用的ヒント」(2014年)を転載しています。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.