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ニコニコ生放送にも採用されたハイブリッドコーデックソシオネクスト M820L

ソシオネクストは、ハイブリッドコーデック「M820L」を発売した。画質や解像度が高く、チャネルの多い映像データのデコードやエンコードをはじめ、リアルタイム解析で抽出した情報を映像データに統合するなど、高度な映像処理ができる。

» 2018年05月24日 09時00分 公開
[EDN Japan]

PCIe Low Profile準拠のカードに実装

 ソシオネクストは2018年5月、専用ハードウェアと汎用CPUによるソフトウェア処理を組み合わせたハイブリッドコーデック「M820L」を発売した。PCIe Endpoint Device型とStand-alone型といった2つの使用形態を用意している。

ハイブリッドコーデック「M820L」

 M820Lは、4K/60p HEVC対応マルチフォーマットコーデック「MB86M30」と、Armコア搭載マルチコアプロセッサ「SC2A11」を組み合わせた、PCIe Low Profile準拠のカードに実装されている。画質や解像度が高く、チャンネルの多い映像データのデコードやエンコードをはじめ、リアルタイム解析で抽出した情報を映像データに統合するなど、高度な映像処理ができる。

 PCIe Endpoint Device型は、M820LをPCやサーバのPCI-eスロットに挿入してエンコードアクセラレータとして使い、エンコード負荷をオフロードできる。Stand-alone型は、M820Lを単独あるいは複数枚、専用ケースに挿入してエッジサーバやトランスコードサーバとして使ったり、アプリケーションプラットフォームとして、圧縮データのトランスコードやリアルタイム解析を実施できる。

 同社は、M820Lのアプリケーション事例として、「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」と連携した映像解析デモンストレーションを開発。これは、M820Lがカメラから受信した映像を高画質、高圧縮データに変換しつつ、画像処理や解析に活用できるデータを同時に抽出、このデータをZinraiの「サーバ推論」に入力して実行する。従来のクラウド映像処理だけでは難しかった高解像度、高画質データの効率的なリアルタイム解析を可能にする。

「M820L」「Zinrai」の連携

 他に同製品は、監視カメラソリューションやデジタルマーケティングへの活用、スポーツ映像の解析、映像配信サービスでのコンテンツ管理などにも応用できる。

 なお、同社は同年5月23日に、ドワンゴと共同で「ニコニコ生放送」の映像データトランスコード処理システムを開発したと発表しており、このシステムでM820Lを採用した。同システムは従来のサーバのみの構成と比較して、2倍以上の処理能力を実現できる見込みだという。

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