メディア
連載
» 2018年09月04日 11時00分 公開

中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(22):接点部品(1)―― スイッチの基本と安全規格 (2/3)

[加藤博二(Sifoen),EDN Japan]

安全規格

安全規格の概要

 安全規格とは、電気を使用する製品、部品に一定の安全基準を設けて一般消費者を感電や火災の危険から守るために、国やそれに代わる機関が定めたもので、法律、あるいは法律に準じるものです。
 セットメーカーにおいては、セットに安全規格認可済の電源スイッチを使用することでスイッチの安全性に関して一定の保証が得られることと、そのセットの安全規格の認可試験の一部が軽減されるため、セットの認可を取得しやすくなる利点があります。多くの国で電子機器の販売には安全規格の取得が前提になっています。
 安全規格は法律、あるいはそれに準じるものですから認可条件の変更については交渉の余地はありません。文言の細かい解釈は試験所によって異なることがありますがスイッチメーカーが事前に詳細な確認をしていますので、まずはメーカーへ疑問点を問い合わせてください。

認可型式名

 電源スイッチの認可型式とは、メーカーが安全規格を取得した時の安全規格認可証または、認可リストに記載されている登録型式です。
 したがって、認可型式は商品の品番と異なる時がありますし、同一シリーズ製品であっても取得規格、定格などにより認可型式が異なる場合もあります。安全規格申請時には規格の認可証を入手し、認可型式を確認してください。

 次に世界の主要国で適用されている安全規格名と概要を示します。ただ、SWだけに限定したものではありませんので詳細な免除既定の適用などについてはSWメーカーへ問い合わせてください。

主な安全規格とその概要

(1)電気用品安全法(電安法) − 日本

 2001年4月1日から従来の「電気用品取締法」が「電気用品安全法」と改称され、施行されました。
 電気用品は「特定電気用品」(旧甲種電気用品)および「特定電気用品以外の電気用品」(旧乙種電気用品)に分類され、特定電気用品については、適合性検査の証明書を保存する義務があります。非特定の電安法適合の第三者認定証明には〇外形のPSEマークを表示します。


(2)UL − 米国(民間規格

 1894年、米国火災保険業者組合によって創設された非営利試験機関で、材料から製品についての認可試験を行っています。米国での電気製品の販売にあたっては、UL認可品でないとさまざまな差別がありますので実質的には強制と同じです。UL認可取得が各州の州法や都市の条例により、強制されているところも数多くあります。


(3)CSA − カナダ

 1919年に非営利、非政府機関の標準化団体として設立されたものが1944年に改名され、工業製品、部品、材料の規格を制定すること、ならびに電気関係品については、その規格に合致しているかどうかを認定する権限を有する機関です。カナダにおいて使用される電気製品には必須の規格です。


(4)SEMKO − スウェーデン

 1925年にスウェーデン電力供給会社協会とスウェーデン火災保険協会によって設立されたもので、1935年に政府に公認されました。SEMKOは家庭、事務所、商店、学校などで使用される電気機器すべてを政府公認の下にその安全性を試験し、許可をあたえることを目的としています。


(5)BS − 英国

 BSは1931年に工業製品についての標準規格の発行機関、検査、認定機関として発足。その認可機関にはBSI、BEABその他があり、電気機器についての安全性を碓保するため検査を行っています。電気機器の認可は非強制ですが認定品にはBSI指定の認定ラベルを貼ることができます。


(6)VDE − ドイツ

 1893年に結成されたドイツ電気技術社連合が主となって設立したのがVDE試験所です。電気機器および部品の安全性試験と承認業務を行っています。このVDEは、ドイツの法律上、認定を強制されてはいませんが感電、火災などの事故が発生した時の罰則が厳しく、実質上強制と同じ形になっています。


(7)ENEC − EU共通

 EU共通のEN規格に適合した認証マークとして、欧州で広く認知されています。
 ENEC協定に加盟している機関が認証を実施し、ENECマークには、私見および認証を行った機関の識別番号が添えられます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.