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接点部品(3)――SWの選択のポイントと使い方中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(24)(1/2 ページ)

前回まではスイッチ(SW)の基本構造や接点の定格表示、表面処理、硫化現象などについてその概要を説明してきました。今回はSWの選び方と注意点について説明します。

» 2018年10月30日 10時00分 公開

 前回まではスイッチ(SW)の基本構造や接点の定格表示、表面処理、硫化現象などについてその概要を説明してきました。

 今回はSWの選び方と注意点について説明します。

1次側電源SWに適用される安全規格

 1次側のACラインの断続に用いられる電源SWは故障モードによっては感電や発火などの危険な状態を招きかねません。したがって安全の観点から電源用SWについては各国で安全規格が定められています。
 従来、この種の安全規格は各国の事情に沿った独自規格でしたが、現在では表1に示すようにIECの標準規格に従って各国で整合規格を定め国際的な標準化、共通化が進められています。

 SWに関する日本での整合規格例を表1に示します。

表1:IECと整合規格の例
IEC規格番号 JIS規格番号 適用内容
IEC 61058-1 JIS C 4526-1 機器用スイッチ−第1部:一般要求事項
IEC 61020-1 JIS C 5445 電子機器用スイッチ
IEC 60947-1 JIS C 8201-1 低圧開閉装置及び制御装置−第1部:通則
IEC 60947-5-1 JIS C 8201-5-1 低圧開閉装置及び制御装置−第5部:制御回路機器及び開閉素子−第1節:電気機械式制御回路機器
IEC 60947-5-5 JIS C 8201-5-5 低圧開閉装置及び制御装置−第5部:制御回路機器及び開閉素子−第5節:機械的ラッチング機能をもつ電気的非常停止機器
IEC 60947-5-8 JIS C 8201-5-8 低圧開閉装置及び制御装置−第5-8部:制御回路機器及び開閉素子−3ポジションイネーブルスイッチ

 番号の対比が分かりにくいですが、例えばJIS C4526-1:2013の規格の序文には次のような記載があり、当規格がIEC規格の整合規格であることを明記しています。

序文
 この規格は、2008年に第3.2版として発行されたIEC61058-1を基に、技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
 なお、この規格で点線の下線を施してある箇所は、対応国際規格を変更している事項である。変更の一覧表にその説明を付けて、附属書JA(JISと対応国際規格との対比表)に示す。


 表1は電源SW単体に関する規格ですが製品に関するIEC60065/IEC60335-1/IEC600950、UL6500などの安全規格では使用者保護(安全)の観点から

  • 使用プラスチック材料の耐熱性、耐火性、トラッキング性、
  • 電源SW単体の認定規格、あるいは評価方法
  • 電源SWの取り付け位置、固定方法、表示
  • ……

などの要求があります。電源SWの選定についてはSW単体のみならず、設計対象の機器がどのような安全規格に該当するのかを調査の上、適切な電源SWを選択することが重要です。

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