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» 2019年03月20日 11時00分 公開

アナログ設計のきほん【ADCとノイズ】(2):ΔΣADCのノイズ測定と絶対/相対ノイズパラメーター比較 (2/3)

[Bryan Lizon(Texas Instruments),EDN]

ADCのデータシートにおけるノイズ仕様

 ADS127L01のデータシートを見ると分かると思いますが(どのADCのデータシートでもかまいませんが)、ノイズ特性について図と数値の2通りの方法で記されています。図2に、振幅−0.5dbFS、周波数4kHzの入力正弦波を使った、ADS127L01のノイズ特性の高速フーリエ変換(FFT)を示します。この図から、信号対雑音比(SNR)、全高調波歪(THD)、信号対雑音比+歪(SINAD)、有効ビット数(ENOB)などの重要なACパラメーターを計算して記載します。

図2:4kHz、-0.5dBFSの入力信号によるADS127L01のFFTの例

 DC性能については、特定のゲイン設定、フィルターの種類および、サンプルレートでの出力コードの分布がノイズヒストグラムで表されます。この図から、入力換算ノイズ、有効分解能、ノイズフリー分解能などの重要なDCノイズパラメーターを計算して記載します。(注:ADCのDC性能について説明する時に「ENOB」と「有効分解能」を同じ意味で使用するエンジニアが多くいます。しかし、ENOBはSINADから得られる純粋な動的特性仕様であり、DC性能を伝えるものではありません。本シリーズでは今後、これらの用語をそれぞれの意味で使用します。より包括的なパラメーター定義と式については、表1を参照してください)

 図3に、ADS127L01のノイズヒストグラムを示します。

≪図3:ADS127L01のノイズ・ヒストグラムの例

 FFTの図と同様に、DCノイズ特性について重要な情報をノイズヒストグラムが視覚的に表します。ノイズヒストグラムはガウス分布をしているので、平均(二乗平均平方根:RMS)ノイズ特性の定義は通常、1標準偏差です(図4a)の赤で塗りつぶした部分)

 図4bの青で塗りつぶした部分は、ADCのピーク・ツー・ピーク(VN,PP)ノイズ特性を表します。ピーク・ツー・ピーク・ノイズは、ガウスノイズの波高率(ピーク値と平均値との比)により、6または6.6標準偏差として与えられます。ピーク・ツー・ピーク・ノイズは、測定されたノイズがこの範囲になる統計的確率を定義します。入力信号がこの範囲にあると、ノイズフロアによって隠されてコードがちらつく可能性があります。追加のオーバーサンプリングは、より長いサンプリング時間を犠牲にしてもピークノイズを減らすのに役立ちます。

図4:ADS127L01 RMSのノイズ(a)とピーク・ツー・ピーク・ノイズ(b)

 前述のACおよび、DCの仕様はADCデータシートの電気的特性のセクションにも数値で記載されています。この規則の例外には、ノイズ性能がデータレートと同様に利得によっても変化する、内蔵アンプ付きADCが含まれます。このような例では、一般的に、入力換算ノイズ(RMSまたはピーク・ツー・ピーク)、有効分解能、ノイズフリー分解能、ENOB、SNRなどのパラメーター用に個別のノイズテーブルがあります。

 表1は、ACおよび、DCのノイズパラメーターと、その定義と式をまとめたものです。

表1:標準的なADCノイズパラメーターの定義と式

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