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» 2019年03月27日 12時24分 公開

DC-DCコンバーター活用講座(26):DC-DCコンバーターの安全性(1) 感電保護 (2/5)

[Steve Roberts(RECOM),EDN Japan]

絶縁クラス

 安全規格では、主に3つの絶縁クラスが定義されます。

1. 機能絶縁

 この絶縁はコンバーターの機能としては十分で、該当する安全分離要件を満たし、故障時に火災危険を生じません。しかし、感電に対する保護はこの絶縁では不十分です。

図1:機能絶縁の例

 ほとんどのDC-DCコンバーターは、危険でない電圧から給電されるので、このクラスに該当します。機能絶縁が使用されたコンバーターは、一次電源が故障した場合の感電に対して一定の保護は行うものの、永続的な危険な入力電圧に対する確実な保護手段には分類されません。図1に、機能絶縁を施したコンバーターの例を示します。入出力巻線が互いに重なり合って巻かれており、ワイヤコーティングのみで絶縁されています。このように単純な構造にもかかわらず、最大4kVdcの絶縁電圧を実現可能です。

2. 基礎絶縁または付加絶縁

 機能絶縁の要件を満たし、感電に対する基本的な保護対策となるように付加的な絶縁を施されます。絶縁層の厚さは少なくとも0.4mmあり、内部の安全分離も機能絶縁より大きくなります。

図2:基礎絶縁の例

 基礎絶縁のDC-DCコンバーターは、通常、物理的絶縁層を備えており、絶縁をトランスのワイヤラッカーだけには依存していません。図2に示す例では、トロイダルコアがプラスチック・ケースに収容され、入力巻線と出力巻線を物理的に相互に分離する「ブリッジ」も組み込まれています。フェライトコアは導電性と見なされるので、その場合のケースは各巻線をフェライトコアから絶縁するだけでなく、一次巻線と二次巻線も相互に分離する必要があります。

3. 二重絶縁または強化絶縁

 この絶縁は基礎絶縁の要件を満たし、感電に対する保護を強化するために複数の物理的絶縁バリアを備えています。各バリアには少なくとも0.4mmの厚さが必要で、内部の安全分離もさらに大きくなっています。

図3:強化絶縁の例

 図3に、強化絶縁のコンバーターの例を示します。出力巻線には三重に絶縁されたワイヤが使用され、マイラー・フィルムにより入出力間の沿面距離が長くなると同時に、物理的絶縁バリアが提供されます。このようなDC-DCコンバーターは、素子の両端に長時間の危険なAC電圧印加に対する耐性があり(稼働電圧=250Vac)、最大10kVdcの絶縁を実現します。

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