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» 2019年05月15日 11時00分 公開

DC-DCコンバーター活用講座(27):DC-DCコンバーターの安全性(2)保護手段 (3/3)

[Steve Roberts(RECOM),EDN Japan]
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サーキットブレーカー

 熱磁気ミニチュアサーキットブレーカー(MCB)は、電流の遮断に独立した2つのトリガ方式を採用しています。磁気トリップは大きい短絡電流に素早く反応し(標準で約5ミリ秒)、熱トリップは継続的な過負荷に何秒かをかけて反応します。2つのトリガー手段のバランスは、設計により調整可能です。例えば、一時的な過電流にはゆっくり反応しても、短絡故障には素早く反応するMCBを選択することができます。

 一般に、ヒューズはサーキットブレーカーより素早く反応することが想定されていますが、これは必ずしも正しいとは限りません。特に、入出力電流が数アンペアと大きい高出力の低電圧DC-DCコンバーターの場合、MCBによって厄介なトリッピングを気にせずに、トリップ・ポイントをヒューズの場合より定常電流のずっと近くに設定できます。MCBは、危険エネルギーとして分類される可能性のある、低振幅で長期間の過負荷状態にも反応します。

 サーキットブレーカーの他の長所としては、リセット可能、トリップの視覚表示、非常に大きい定格遮断容量、物理的な内部アーク抑制(アークランナーやアークシュートなど)、ならびに複数接続(ポール)の同時切断があります。主な短所は、かなり高価で大型であることと、定格電流がヒューズより小さいことです。

図4:ミニチュアサーキットブレーカー(MCB)の標準的な電流と時間の関係(クリックで拡大)出典:RECOM

⇒「DC-DCコンバーター活用講座」連載バックナンバーはこちら


執筆者プロフィール

Steve Roberts

Steve Roberts

英国生まれ。ロンドンのブルネル大学(現在はウエスト・ロンドン大学)で物理・電子工学の学士(理学)号を取得後、University College Hospitalに勤務。その後、科学博物館で12年間インタラクティブ部門担当主任として勤務する間に、University College Londonで修士(理学)号を取得。オーストリアに渡って、RECOMのテクニカル・サポート・チームに加わり、カスタム・コンバーターの開発とお客様対応を担当。その後、オーストリア、グムンデンの新本社で、RECOM Groupのテクニカル・ディレクタに就任。



※本連載は、RECOMが発行した「DC/DC知識の本 ユーザーのための実用的ヒント」(2014年)を転載しています。

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