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フィルムキャパシター ―― 特性と構造中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(31)(1/2 ページ)

今回はWebでの情報を尊重してキャパシター自体の説明は必要最小限度にとどめ、使い方を主体的に考えていきます。最初はフィルムキャパシターを取り上げます。

» 2019年05月29日 11時00分 公開

 キャパシター(コンデンサー)については既に多くの資料がWeb上に公開されているので本シリーズで取り上げるべきか迷いましたが、構造の説明がないと使い方の説明がしづらい面があります。
 今回はWebでの情報を尊重してキャパシター自体の説明は必要最小限度にとどめ、使い方を主体的に考えていきます。最初はフィルムキャパシターを取り上げます。

キャパシターとコンデンサーの2つの用語

 部品の名称ですが日本語ではキャパシターとコンデンサーの2つの用語がほぼ同じ意味で用いられていますが本来は意味が異なる用語です。
 元々はCondensing-electroscope(蓄電式検電器)などに見られるように電流を蓄積するという現象論的な面から「コンデンサー」が使われていたのですがその後、電流の本質が電荷であることが判明してからは電荷を蓄える能力を容量(Capacity)で表した方が適切であるということになり、次第に「キャパシター」が用いられるようになっていったのです。

 このような経緯(いきさつ)から、現在では海外文献のCondenserは復水器、凝縮器を指すことがほとんどです。
 しかし、既に用語として定着してしまっていたコンデンサーマイク(condenser-microphone)などは英文においてもそのままとなっていますし、日本でも一部の会社名などで用いられています。ちなみに日本での使用状況は表1のようになっていて比較的新しい分野から置き換えられているようです。

表1:日本での代表的な文書での使い分け
JEITA コンデンサーが主、次の1筆はキャパシター
   RCR-2377 リチウムイオンキャパシタ(LIC)の安全アプリケーションガイド
JIS コンデンサーが主、次の3筆はキャパシター
   JIS-C-62813 電気・電子機器用リチウムイオンキャパシタ−電気的特性の試験方法
   JIS-D-1401  ハイブリッド電気自動車用電気二重層キャパシタの電気的性能の試験方法
   JIS-E-5012-3 鉄道車両−電力用コンデンサ−第3部:電気二重層キャパシタ

 本シリーズでは既に定着している電解タイプ(湿式アルミ電解、タンタル電解)はコンデンサーを使用し、それ以外はキャパシターとしています。それではフィルムキャパシターから説明していきます。

フィルムキャパシターの概要

キャパシターの原理

図1:キャパシタの原理図

 図1に示すように、2枚の電極をお互いに触れないように対向させると平板形キャパシターを構成できます。このキャパシターの容量値をCとすれば電気磁気学の諸式によって、

1式

となリ、容量Cを上げようとすれば、εやAを大きくするか、またはdを小さくする必要があることは容易に分かリます。
   ε0:真空の誘電率8.85418782×10−12(F/m)  εS:比誘電率

 また、電極間に挿入して容量Cを増加させるεS≫1の特性を持つ材料は誘電体と呼ばれ、この誘電体の種類によって表2のようにいろいろな特性を持つキャパシターが作られています。
 表2を見るとフィルムキャパシターは周波数特性、温度特性、電圧適用範囲、寿命の面で優れていることが分かります。

表2 表2:主要キャパシターの特性比較
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