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ファンクションジェネレーターの用途と校正ファンクションジェネレーターの基礎知識(3)(1/5 ページ)

ファンクションジェネレーターはマイクロヘルツオーダーの超低周波から、メガヘルツオーダーの高周波まで発振ができるため、電気/電子回路の評価以外にも、部品、材料、機械、構造物、生体など幅広い用途の試験に使われている。ここではいくつかの応用分野について紹介を行う。また、ファンクションジェネレーター校正方法についても紹介する。

» 2019年05月31日 10時00分 公開
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 本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。

ファンクションジェネレーターの用途

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 ファンクションジェネレーターはマイクロヘルツオーダーの超低周波から、メガヘルツオーダーの高周波まで発振ができるため、電気/電子回路の評価以外にも、部品、材料、機械、構造物、生体など幅広い用途の試験に使われている。ここではいくつかの応用分野について紹介を行う。

ロータリーエンコーダーの模擬

 ロータリーエンコーダーは回転するものに取り付けられて、回転数や回転の方向を検出するために使われている。自動車、ロボット、工作機械など機械制御を行う機器や、電子機器の回転式のジョグダイヤルにも使われている。

図1:ロータリーエンコーダーの原理図

 ロータリーエンコーダーの出力は電子回路に接続される。接続された電子回路やファームウェアの評価を行う場合は、実際のロータリーエンコーダーを接続して試験を行うことも可能であるが、ロータリーエンコーダーの代わりに2相出力のファンクションジェネレーターを使えば、再現性のよい試験を行うことができる。また実際のロータリーエンコーダーでは実現しないような高速回転や波形の異常などの模擬はファンクションジェネレーターを使えば簡単に行える。

図2:ファンクションジェネレーターを使ったロータリーエンコーダー模擬

レゾルバの模擬

 レゾルバはロータリーエンコーダーと同じく角度を検出するためのセンサーであるが、耐環境特性が優れているため、自動車、ロボット、工作機械など厳しい環境で使われる機械に組み込まれている。原理はトランスと同じであり、図3に示すように一次側に正弦波信号を入力して、二次側の2つの検出コイルからの出力が、回転角に対して正弦波状に振幅の変化は90度位相がずれるようにコイルが配置されている。

図3:レゾルバの原理図

 レゾルバから出力される信号は角度検出回路に入力されて、角度信号を得る仕組みになっている。この検出回路を評価するためにファンクションジェネレーターが利用できる。最近のファンクションジェネレーターは多出力であるため、1台のファンクションジェネレーターで3相のレゾルバの模擬信号を出力することができる。

図4:レゾルバ角度検出回路の評価
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