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ファンクションジェネレーターの用途と校正ファンクションジェネレーターの基礎知識(3)(3/5 ページ)

» 2019年05月31日 10時00分 公開
[TechEyesOnline]

磁性材料の鉄損測定

 磁性材料はモーターやトランスなど多くの電気部品に使われおり、用途に適した磁性材料の開発が行われている。特にインバーターのスイッチング周波数が高くなってきたため、磁性材料の鉄損計測の要求が高まっている。鉄損測定では正弦波の振幅や周波数を変化させて、磁性材料を評価する。鉄損測定システムの基本は図10に示す通りである。

図10:鉄損測定システム

注)エプスタイン試験枠とは

 短冊状の軟磁性材料をコイル枠の中に井桁状に入れる。コイル枠は同じ巻数の1次コイル(励磁)と2次コイル(誘起電圧)で構成され、直流や交流の励磁を行い、磁気特性(B-H曲線、ヒステリシス損、鉄損など)を測定するために使う。

図11:エプスタイン試験枠の外観
提供:メトロン技研

 実際の磁性材料測定システムは用途に応じたさまざまな試験枠や解析ソフトが必要となるため、専業の測定器メーカーが作った装置が使われている。

 図12に示したインバーター励磁鉄損測定装置は実際のモーターに印加されるインバーター波形での評価とJIS規格で規定されている正弦波での磁性材料の評価ができるようになっている。励磁周波数は40Hzから20kHzまでとなっている。

図12:インバーター励磁鉄損測定装置
提供:メトロン技研(メトロン技研株式会社 Webサイト:http://www.metron.co.jp/

セラミックコンデンサーの音鳴き

 強誘電性のセラミックコンデンサーは、誘電体に交流電圧がかかると誘電体が変形する(歪む)という特性がある。このため、可聴域の周波数(20Hzから20kHz)の電圧がセラミックコンデンサーにかかるとセラミックコンデンサーが振動し、基板にその振動が伝達されて音鳴きが発生する。電子機器からの不快な音が発生することが問題となり、コンデンサーメーカーではセラミックコンデンサーからの音を図13で示すようなシステムで評価している。

図13:セラミックコンデンサーの鳴き評価システム

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