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Jetson Nano開発キットの基本と注意点開発着手前に知っておきたい(2/2 ページ)

» 2019年07月31日 14時00分 公開
[菱洋エレクトロEDN Japan]
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その他Jetson Nano開発者キットに関する注意点

電源供給について

電力消費が大きい場合や安定した電力供給が必要な場合は、ACアダプターによる電源供給の方がオススメだ。写真のACアダプターは、NVIDIA Jetson Nanoコンプリートスターターキットに付属しているもの。

 Jetson Nano開発者キットは、デフォルト設定ではmicroUSBで5V/2A(10W)までの電力を使う。アプリケーション負荷が非常に高い場合や、接続したUSBハブが多くの電力を必要とする場合、あるいはUSB ACアダプタの給電が不安定な場合などに電力が足りずJetson Nanoの電源が落ちてしまう現象が確認されている。電力消費が大きい場合や安定した電力供給が必要な場合は、microUSBではなくACアダプターから電力を供給する方が良いだろう。なお、ACアダプターから電力を供給する場合、開発者キット上のJ48のピンをジャンパー(別売り)でショートさせる必要がある。詳しい方法はJetson Nano Developer Kit User Guideに記載されている。

Raspberry Piカメラモジュールのサポート

 Jetson Nano開発者キットではRaspberry Piカメラモジュールを接続して使用できるようになっている。ただし、サポートされているのは「Raspberry Pi Camera Module V2」のみで「同V1」はサポート対象外になる。

Jetson Nanoモジュールには、「Raspberry Pi Camera Module V2」が装着できる

Displayportのオーディオ出力について

 Jetson Nano開発者キット上のDisplayportコネクターはオーディオ出力に対応していない。

M.2コネクターの対応キーについて

 Jetson Nano開発者キット上のM.2コネクターはEキーである。Mキー仕様のSSDカードなどは使用できない。


最後に

 以上、Jetson Nano開発者キットの概要や注意点について簡単に紹介した。本記事ではパフォーマンスについては触れなかったが、NVIDIAの開発者ブログに各種DNNの推論ベンチマークが掲載されているので参考にしてほしい(参考リンク)。また、NVIDIAのDeepStream SDKを使用したデモムービーを見れば、そのパフォーマンスの高さが分かるだろう。

NVIDIAのDeepStream SDKを使用したデモムービー

 正直、筆者もJetson TX1より演算能力の低いJetson Nanoでも、「適切にチューニングすればこれだけのことができるのか」と驚いた。なお、Jetson Nano対応のDeepStream SDK 4.0は2019年7月25日にリリースされたので、チェックしてみてほしい。

執筆:菱洋エレクトロ

 菱洋エレクトロ(リョーヨー)グループは「半導体」とコンピューター製品をはじめとする「ICT(Information and Communication Technology)」の2つの事業基盤を柱に、それぞれの強みを活かした「サービス・ソリューション」にも注力しています。お客様の「満足」と「安心感」を高めるために、エンジニアと営業が一体となって付加価値の高い製品・サービスをご提供してまいります。


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