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» 2019年08月08日 11時30分 公開

Wired, Weird:繰り返すエンストの恐怖 ―― 劣化した車のバッテリーを復活させる方法(1) (3/3)

[山平豊(NSS九州),EDN Japan]
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試作基板でテスト、一定の効果を確認

 簡易な充電器をバッテリーに接続して、試作基板を接続した波形をオシロスコープで測定した。バッテリー端子の電圧波形を図4に示す。

図4:試作基板のバッテリー端子の電圧波形図(クリックで拡大)

 充電電圧が16Vの時に5.8kHzで20.8Vのパルスが印加されていた。パルス波形が少し弱々しい。マイカーのバッテリーを充電するときにこの基板を接続して、充電状態を確認した。この基板なしで充電すると30分程度で充電電圧が高くなり、充電電流が0.5A以下になっていたが、この基板を付加して充電したら、3時間経過しても充電電流が1Aを超えた状態になった。バッテリーの抵抗が低くなった証拠と思われ、一応の効果はあるようだ。また、この改善器を付けて充電を繰り返したら、車がエンストする頻度が少し低くなった。

更なるパワーアップを目指す!市販品をチェックしてみたが…

 もう少しバッテリーの改善方法を調べて回路をパワーアップしようと思い、知人の自動車整備工場へ行った。その整備工場では、1万円で購入した市販のバッテリー改善器を使っていた。市販のバッテリー改善器は、どれくらいのパルス電圧が出るのか。実際に借用し、DC12Vの安定化電源に接続して発生するパルス電圧を確認した。市販のバッテリー改善器のパルス波形を図5に示す。

図5:市販のバッテリー改善器のパルス電圧波形(クリックで拡大)

 市販のバッテリー改善器は、周波数は10kHzだが、パルス出力は2V程度しかなかった。知人の話では、一週間近くバッテリー改善器を取り付けて充電するということだった。これは、試作基板と比較してもかなり電圧レベルが低い。また、接続するケーブルの長さが1mもあった。こんな長い配線では、ケーブルのリアクタンスによって、高周波のパルス電圧のレベルが下がってしまうだろう。市販のバッテリー改善器は、プロのアナログ技術者が設計したものとはとても思えなかった。

 その後、いろいろと知人に聞いたところ、バッテリーの改善には大きなパルス電圧も必要だが、最適な周波数が一番の鍵だ、ということだった。しかし、最適な周波数とはどういう意味だろう。バッテリーの容量や劣化の状況は車の状態で千差万別であり、最適な固定周波数などありえないはずだ。ここにヒントがありそうだ。こうして、バッテリー改善回路の効果とパワーを向上させる目標が見つかった。次回は、パワーアップした改善器について、報告する。

⇒続編「さらばエンスト! ―― 劣化した車のバッテリーを復活させる方法(2)」へ

⇒「Wired, Weird」連載バックナンバー一覧

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