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» 2019年09月06日 11時00分 公開

Wired, Weird:さらばエンスト! ―― 劣化した車のバッテリーを復活させる方法(2) (2/3)

[山平豊(NSS九州),EDN Japan]

車に付けっ放しにするために

 バッテリー改善器は、車に付けっ放しにして使いたい。しかし、この使い方では消費電流が常に発生するのでバッテリーが過放電しないように電圧を監視して電圧が下がったら消費電流をゼロにする回路が必要だ。バッテリーの電圧監視回路を追加し12.5V程度でパルスの発生回路を止める回路を追加した。電圧監視回路には修理の仕事で余ったフォトカプラがあったので流用した。試作2号機のハンダ面の写真を図2に示す。

図2:試作2号機のハンダ面 (クリックで拡大)

 図2の上側の黒いモールドがフォトカプラだ。バッテリー改善器の機能が増えてかなり複雑になった。最終的なデサルフェータの回路図を図3に示す。

図3:デサルフェータの回路図(完成版) (クリックで拡大)

 図3の左側にはシリアルオシレーターが2つある。左側は3.7kHzで右側は5kHzの発振周波数とした。生成された2つのパルスを2つのダイオードD5、D6でオア(OR)してFET Q3のゲートに供給した。これで5kHzを最小としたランダムパルスが発生できた。図3の中央には電源電圧の監視回路をフォトカプラPC21と10VのツェナーダイオードD21で構成した。図3の右側は最適化したパルス出力部の回路だ。

完成したバッテリー改善器の実力は……

 製作した基板の大きさは4×6cm程度。高さは1cm程度なので、100円ショップのミニケースに入れることができた。またバッテリーに接続する配線は太めのケーブルで10cm程度の短い長さにして大型のワニ口クリップをつけ、バッテリーの接続部でのパルスの減衰を少なくした。バッテリー単体を市販の充電器で充電しながら、一緒にバッテリー改善器を付けて動作を確認した。写真を図4に示す。

図4:動作確認のためバッテリー改善器を取り付けた様子 (クリックで拡大)

 オシロスコープをバッテリーの正負電極に接続して電圧波形を計測した。結果的には、かなり大きな電圧波形が観測された。このバッテリーは電極間の抵抗が高く、かなり劣化しているようだ。計測したパルス波形を図5に示す。

図5:パルス波形の計測結果 (クリックで拡大)

 図5でパルス電圧が37V程度あり、平均周波数は30kHzだった。最初の試作の波形からすると、格段にパルス電圧が高くなった。また、パルス波形が常に揺れて間隔が一定していない。これで周波数が変動するランダムパルスになっていることも分かった。改善器の消費電流は充電電圧が14Vの時に40mA程度あった。シリアルオシレータのデューティを小さくすれば消費電流は半分ぐらいには小さくできるだろう。

 充電器を外しバッテリーに10Ωの抵抗負荷を付加してバッテリーの電圧を徐々に下げた。電圧が12.5V近くに低下したら改善器のLED表示は消えて、消費電流はほぼゼロになった。この電圧監視回路で車のバッテリーに改善器を付けっぱなしに使っても大丈夫だ。

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