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» 2019年10月09日 11時00分 公開

電源設計:どう熱を制するか ―― 車載デュアルUSBチャージャー考察 (1/3)

自動車での搭載が当たり前になりつつあるUSB充電ポート。そのポート数は増加傾向にある。ただ、ポート数の増加は、熱などの設計上の課題を招く。本稿では、そうした課題を克服しつつ、デュアルポートのUSBチャージャーを搭載する方法を考えていく。

[Nazzareno(Reno)Rossetti/Adrien Gambino(Maxim Integrated),EDN]

 USBポートの自動車への搭載が広まっています。適切なケーブルを仲介として、多数のポータブル機器、スマートフォンおよび、タブレットPCを出先で充電することが可能です。これらの機能を実装する電子モジュールは、過熱することなく小型のスペース内に収まる必要があります。

 デュアルポートの専用充電ソリューション(図1)の場合、部品数とソリューションサイズの増大なしに2つのコネクターに対応する必要があるため、問題が悪化します。デュアルUSBチャージャーは、コネクター当たり5Vで最大3Aの充電に対応する必要があり、AEC-Q100認定済みかつAppleおよび、USB仕様に準拠する必要があります。サイズと温度の課題に加えて、このソリューションは2つのレガシーUSBエニュメレーション技術を内蔵し、EMI放射を最小限に抑え、40Vのロードダンプに耐え、車載フィールドリターンを防ぐための保護を備える必要があります。

 ここでは、標準的な方式の欠点を概説し、これらの課題を克服する新しい技術を紹介します。

図1:デュアルUSBソケットを備えた自動車

熱の問題

 USBチャージャーモジュールの温度仕様は単純明快です。周囲温度が40℃を上回ってはいけません。

 標準的なソリューションで、フリップチップパッケージの5Vチャージャーの接合部−周囲間熱抵抗ΘJ-A=20℃/W、14Vの車載バッテリーから電力を取得し、効率が91%で、ポータブル機器を6Aで充電する場合を考えてみます。出力電力は次の通りです。

POUT=5V×6A=30W

 効率が91%の場合、入力電力は次の通りです。

PIN=POUT/η=30/0.91=32.92W

 電力損失は次の通りです。

PD=PIN−POUT=32.92−30=2.92W

 したがって、IC内の温度上昇は次のようになり、規定された制限を超えます。

ΔT=ΘJ-A×PD=20×2.92=58.4℃

 明らかに、ここで要因となっているのはチャージャーの効率と熱抵抗です。

 図2に示すように、58.4℃のΔTを25℃の周囲温度に加えると、ピーク温度は83.4℃に達します。

図2:標準的なソリューションのピーク温度
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