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» 2020年01月24日 11時00分 公開

Bluetooth位置情報サービスの基礎知識(前編):Bluetooth位置情報サービスの種類と市場を知ろう (1/2)

Bluetoothで最も成長が著しい分野の一つが、位置情報サービスです。今回は、位置情報の現在の市場や技術を前後編にわたって解説します。まずはBluetooth位置情報サービスの種類と市場を取り上げます。

[Lori Lee(Bluetooth SIG),EDN Japan]

活用が進むBluetooth位置情報サービス

 Bluetoothを用いた位置情報サービスは、屋内ナビゲーションにおける最先端のソリューションとしてまたたく間に普及しています。最新の「Bluetooth市場動向2019」によると、2022年までにBluetoothデバイスの年間出荷台数が50億台以上になるほか、同期間におけるBluetooth位置情報サービス搭載デバイスの出荷台数が年間で10倍の伸びになると予測されています。Bluetoothの位置情報ソリューションは世界中の美術館や小売店、空港、物流、オフィスなどさまざまなシーンで優れた体験を提供しています。

ビクトリア国立美術館の天井に設置されているビーコン

 例えば、オーストラリアの美術館のなかでも最も長い歴史を誇るビクトリア国立美術館では、Eddystone(Bluetooth Low Energy[BLE]を用いたビーコンの規格)と来館者用のスマートフォンアプリによって、館内の経路をより素早く簡単に把握することができます。各フロアの天井には近接通信用のビーコンが巧みに配置され、POI(Point Of Interest)情報や屋内ナビゲーションなど、さまざまな屋内測位および位置情報サービスをサポートしています。


アプリケーション画面による位置情報の確認

 その他にもいろいろなユースケースがあります。物をなくした時には、Bluetoothの探索ソリューションが、混雑した空港やショッピングモールにおける移動にはBluetoothの屋内測位システム(IPS)が、日常的に活用されているだけでなく、物流では倉庫や施設がBluetoothのリアルタイム位置情報システム(RTLS:Real Time Location System)によってリソース管理の改善や物流の最適化を実現しています。

 その背景には、2010年にBLEが導入されたことがあります。開発者はBluetoothを使ってパワフルかつ低コストのリアルタイム位置情報システムや屋内測位システム、探索ソリューション、POI情報ソリューションなどを開発できるようになりました。それからわずか数年で、位置情報サービスはBluetoothで最も成長著しい分野となったのです。

位置情報サービスの区分

 これまで、標準的なBluetooth位置情報サービスのソリューションは、いずれも似たような基本構造をしていました。

 「範囲内にある2台のBluetoothデバイスを確認するためにBLEの無線通信を活用し、多くの場合、受信信号強度(RSSI)を測定することで2台のデバイス間の距離を推定する」というものです。

 付近にある他のデバイスの探知とデバイスまでの距離を推定するこの基本機能によって、Bluetooth位置情報サービスは、数多くの魅力的なソリューションを生み出してきました。これらのソリューションは、近接通信ソリューションと測位システムの2つに大別できます。

位置情報サービスの種類は、2つに大別されます

【近接通信ソリューション】

探索ソリューション

 探索ソリューションは、ここ数年間で成長したソリューションです。このソリューションでは小型のバッテリー駆動式Bluetoothデバイスを使用しており、スマートタグや忘れ物防止タグなどと呼ばれます。鍵や財布など、持ち運ぶ物に取り付けられるようになっていて、関連アプリを使用することで、スマートフォンのBluetooth通信によってタグを探知し、特定のタグまでの距離を推定します。

POI情報ソリューション

 美術館で使用されるビーコンが訪問者に展示品の情報を提供するように、小売施設でもビーコンによって買い物客に商品情報を提供しています。こうした使用例では、一般的に訪問者がスマートフォンにBluetoothのワイヤレス通信アプリをダウンロードすることで、ユーザーのデバイスが最寄りのビーコンを発見し、有効範囲内の単一または複数のビーコンから詳細情報を受信できるようになっています。

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