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» 2020年03月17日 11時00分 公開

電力計の基礎知識(1):電力計の種類と選定ポイント (1/8)

電力を測るニーズの拡大にあわせて、さまざまなタイプの電力測定器が登場している。今回の記事では高性能、高機能が要求されるベンチトップ電力計に絞って基礎知識を解説していく。

[TechEyesOnline]
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 本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。

はじめに

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 電気の利用は、電池の発明によって電信電話などに使われることから始まった。人々の生活に広く電気の利用が広まったのは交流発電機、変圧器、電球の発明からである。日本では明治時代に電気利用が始まり、火力発電所や水力発電所の建設が進み、電灯や電気鉄道から普及が始まった。

 当初は電灯の数によって電気料金を決める方法であったが、その後、電力使用量に応じた料金体系が作られるようになり、それに伴って電力使用量(積算電力)を測る計器が登場することになった。日本では1910年に電気測定法(1966年に計量法に統合)が公布され、当初は外国製の積算電力量計が導入された。その後、いくつかの国産の積算電力量計が作られるようになった。

図1:初期の国産積算電力量計(TU-S型交流積算電力計、横河電機製作所/(現)横河電機、1932年) 提供:横河電機

 積算電力計以外に、単位時間あたりに消費される電気エネルギー量を測定する電力計が登場している。現在の電力計は全て電子回路によって作られているが、初期の電力計は精密機械である指示計器であった。

 現在は電力を測るニーズが拡大してきているので、さまざまなタイプの電力測定器が登場している。今回の記事では高性能、高機能が要求されるベンチトップ電力計に絞って解説する。

図2:さまざまな電力計 提供:横河電機

 今回の記事執筆では1915年の創業以来、さまざまな電力測定器の開発、販売を行っている横河計測の協力を得た。

さまざまな電力測定器

 電力測定器は、主に電気料金の支払いために用いる積算電力量計と、機器の消費電力を測る電力計に大きく分けられる。積算電力量計は、機械式から電子式のスマートメーターに更新が進んでおり、電力消費量を人による検針に頼らず、遠隔から通信経由で読み取れるようになってきた。

 電力計は機械式と電子式に大別できる。電子式の電力計は機器に組み込んで制御や監視に使うものと、設計、生産、保守の現場で使われる計測用途のものがある。

機械式電力計

 電力計測が始まった当初からある指示計器である。直流から交流までの電力が測定でき、駆動するための電源は不要で構造もシンプルであり、表示が直感的であるため開発から生産まで幅広く使われていた。電子式への移行が進み、現在では限られた用途でしか使われなくなってきている。

図3:携帯用単相電力計(2041 横河計測) 提供:横河計測
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