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電源の電圧をマイコン内蔵A-Dコンバーターで測定する裏技Q&Aで学ぶマイコン講座(53)(2/5 ページ)

» 2020年04月06日 11時00分 公開

A-Dコンバーターの復習

1.電源構成

 マイコンの電源構成は製品によって異なります。STM32F4では、メイン電源とアナログ電源が分かれており、それぞれに対応したGNDが設けられています(図2)

図2:STM32F4の電源構成 (クリックで拡大)

 また、A-Dコンバーターの基準となる参照電圧は正側がVREF+で、負側はVREF-です。ただし、パッケージのピン数制限から、VREF+をVDDAと、VREF-をVSSAと兼用している製品もあります。

 本記事では、A-Dコンバーター自体でVREF+を測定する方法について解説しますが、さらにVDDAを知りたい場合には、VDDAとVREF+を外部で接続することでVREF+と同じ電圧で得られます。VREF+とVDDAが兼用になっている製品では、外部接続は不要です。

2.変換値から測定電圧を計算する

 A-Dコンバーターはアナログ電圧をデジタル値に変換します。必ず参照電圧(STM32F4の場合VREF±)を持っていて、変換できるアナログ電圧の最大値は参照電圧に依存します。また、A-Dコンバーターの変換結果から、測定電圧は次の式で求められます。(式中NはA-Dコンバーターの分解能:12ビット分解能の場合はN=12)

 測定電圧=(A-Dコンバーターの変換結果÷(2N-1))×参照電圧 式3

 例えば、12ビット分解能の場合、212-1=4095ですので、変換結果から測定電圧は次のようになります。

  • 変換結果が4095の場合:(4095÷4095)×参照電圧=参照電圧、すなわち、測定電圧=参照電圧
  • 変換結果が2047の場合:(2047÷4095)×参照電圧=0.5×参照電圧となり、参照電圧の1/2の電圧を測定したことになります。(厳密には2047÷4095=0.4997558)
図3:A-Dコンバーターの基本(逐次比較型) (クリックで拡大)

参考記事:≪Q&Aで学ぶマイコン講座(12):サンプル&ホールド型A-Dコンバーターのサンプリング時間はどうやって決めるの?

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