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» 2020年04月28日 11時00分 公開

Q&Aで学ぶマイコン講座(54):マルチコアマイコンとシングルコアマイコンの違い (1/4)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。54回目は、中級者の方からよく質問される「マルチコアマイコンとシングルコアマイコンの違い」についてです。

[STマイクロエレクトロニクス,EDN Japan]

過去の質問一覧はこちら

 素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。

 今回は、中級者から多く寄せられる質問です。

 複数のコア(CPU:Central Processing Unit)*1)が搭載されているマルチコアマイコンと、1つのコアしか搭載していないシングルコアマイコン*2)にはどんな違いがありますか? 2つ以上のコアを搭載する理由は何ですか?マルチコアマイコンのメリットとデメリットを教えてください。

参考ページ:*1)マイコン入門!! 必携用語集(3):マイコンの中枢「CPU」とは
*2)マイコン入門!! 必携用語集(2):のぞいてみよう、マイコンの中!! ―― 複雑な演算も簡単な動作の繰り返し

 従来、シングルコアでマイコンのパフォーマンスを上げようとした場合、その最も簡単な方法は動作周波数を上げることでしたが、同時に消費電力が大きくなるという問題もありました。また、製造プロセスの微細化により高速動作を実現することもできますが、この場合はリーク電流が増大し、待機時モードの電流が増えてしまいます。これらの対策として、「コアを2つ以上搭載し、周波数を抑えて並列処理をさせれば、消費電力を抑えつつパフォーマンスを上げられるのではないか?」という発想から、マルチコアマイコンは生まれました。さらに、コアが完全に並列して動作するため、並列処理を必要とするアプリケーションに向いているというメリットも生まれます。図1にシングルコアマイコンとマルチコアマイコンの構成例を示します。

図1:シングルコアとさまざまなマルチコアの構成例

【マルチコアのメリット】

  • 複数のコアを効率良く制御することにより、比較的低い動作周波数でもパフォーマンスが向上し、消費電力も抑えられる
  • 並列処理が必要とされるタスクに最適
  • 各コアの低消費電力モード*3)を適切に制御すると、システムの待機時電力を低減できる

【マルチコアのデメリット】

  • 一般的に価格が高い(システムのコストアップにつながる)
  • OS(Operating System)を採用する場合にマルチコアに合ったシーケンスにしないと、かえってパフォーマンスが落ちる
  • デバッグ方法が複雑

参考ページ:*3)Q&Aで学ぶマイコン講座(28):いろいろなマイコンの低消費電力モードを理解する

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