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自在湾曲可能なガラス基板製液晶パネルNSC 可変曲面の液晶パネル

NSCは、ケミカル加工技術により、自在に湾曲させることができるガラス基板製の液晶パネルを開発した。曲率半径R100mmの湾曲に対応し、車載用ディスプレイなど可変曲面が求められる用途で利用できる。

» 2020年05月19日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 NSCは2020年4月、ケミカル加工技術により、自在に湾曲させることができるガラス基板製の液晶パネルを開発したと発表した。曲率半径R100mmの湾曲に対応し、車載用ディスプレイなど可変曲面が求められる用途で利用できる。

長辺可変曲面の液晶パネル

ケミカル研磨方式で液晶パネルを総厚0.15mmに

 同社は、通常の0.5mm厚のガラスで総厚1.0mmの液晶パネルを完成させた後、ケミカル研磨方式で総厚を0.15mmまで薄くする技術を開発。さらに、ケミカル分断方式でパネルを分断することで、最小曲率半径R100mmの範囲内で自在な湾曲が可能になった。

 この手法では通常の厚板ガラスを用いるため、薄板ガラスを使う場合と比較してハンドリング時に破損する可能性が少ない。また、研磨や分断工程を追加するだけで可変曲面の液晶パネルを量産できるため、設備投資を低減できる。

 物理加工技術に比べて微細な傷が発生しにくく、本来のガラスの強度を保つことができる。同社は今後、量産技術の確立に向けてさらなる研究開発を進め、2022年度の量産開始を目指す。

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