メディア

LEDの特性(2)LEDストリングの接続DC-DCコンバーター活用講座(36)(1/4 ページ)

前回に引き続きLEDの特性に関して説明していきます。今回は、LEDストリングの接続について解説します。

» 2020年07月20日 11時00分 公開

LEDストリングの接続

連載アイコン ↑連載一覧へはアイコンをクリック↑

 大多数の高出力白色LEDは、350mAの定電流で動作するように設計されています。これは、白色LEDの順方向電圧が、その化学的構造によって約3Vに設定されているためです。出力は3.0V×0.35A≒1Wで、LEDの出力として都合の良い電力になります。ほとんどのDC-DC定電流LEDドライバは、バックコンバーター(降圧コンバーター)です。つまり、最大出力電圧は入力電圧より低くなります。従って、ドライブできるLEDの数は入力電圧によって決まります。

入力電圧 5Vdc 12Vdc 24Vdc 36Vdc 5Vdc
ストリング内の標準的LED量 1 3 7 10 15
表1:1ストリング内で駆動可能なLEDの数と入力電圧

 入力電圧が安定化されていない場合は(例えばバッテリー使用時)、使用可能な最小入力 電圧に応じてLEDの最大数を減らす必要があります。

例:12V鉛酸電池でドライブ可能な1W LEDの数
バッテリーの電圧範囲 9〜14Vdc
DC-DCドライバのヘッドルーム 1V
従って、LEDドライバの出力電圧範囲は 8〜13Vdc
LED順方向電圧VFが右に示す値の場合 3.3V(代表値)
ドライブ可能なLEDの最大数は 2

 LED数が2個というのはいかにも少な過ぎます。この問題を回避する方法は、出力電圧が入力電圧より高い昇圧コンバーターを使用するか、2つ以上のLEDストリングを並列で使用することです。全体として必要になる電流を供給するには、350mAのLEDストリングを1つ使用するごとにドライバ電流を増やす必要があります。つまり、1ストリングには350mAのドライバ、2つの並列ストリングでは700mAのドライバ、3つの並列ストリングでは1.05Aの電流源が必要です。従って、LEDドライバの選択は、使用できる入力電圧と、ドライブするLEDストリングの数によって決まります。図123は、代表的な1W白色LEDを使用する場合に考えられる固定12Vdc電源の組み合わせを示した図です。12V安定化電源では、最大3つのLEDストリングをドライブできます(3×3.3V=9.9Vで、定電流ドライバレギュレーションにおけるヘッドルームは2.1V)

※:ドライブ可能なLEDの数はそのLEDのデータシートに示す最大VFによって決まる、というのは誤解です。LEDがその動作による温度に達した時には、VFが大幅に低下しているからです。従って、信頼できるデータシートの値は代表VF値です。標準的なデータシートのVF値は、周囲温度25℃で最小値3.3V、代表値3.6V、最大値3.9Vという形で示されています。しかし、50℃では、これらの数値は最小値3.0V、代表値3.3V、最大値3.6Vに近くなります。従って、LEDドライバである程度の電圧降下があったとしても、確実にドライブ可能なLEDの数は24V電源で7個、36V電源で10個になります。


       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.