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FFTアナライザーの測定事例と校正FFTアナライザーの基礎知識(3)(2/5 ページ)

» 2020年08月17日 11時00分 公開
[TechEyesOnline]

木材のヤング率測定

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 木材の特性を示す指標の1つとして、変形のしにくさを表すヤング率がある。木材のヤング率を非破壊検査で行う方法には振動試験、超音波伝搬試験、応力波伝搬試験などがある。

 FFTアナライザーを使って行う試験は、振動試験の縦振動法(タッピング法、共振法、打撃音法)である。縦振動法は、打音試験として丸太や製材などの木口面をハンマーで打撃し、その音の高さ(周波数)からヤング率を求めるという方法で、広く用いられている。

図2:縦振動法による木材のヤング率測定 出典:小径木及び若齢杉の性能把握実験(月刊杉Web版、2010-04)

 木材を複数回たたいて得た測定結果を平均して、木材の固有振動を求める。木材の長さと重さが分かればヤング率を下記の式から求めることができる。

 E=(2Lf)2ρ

 E:ヤング率(N/m2)、L:長さ(m)、f:固有振動数(Hz)、ρ:密度(kg/m3

 縦振動法によるヤング率測定は日本住宅・木材技術センターが発行している「構造用木材の強度試験マニュアル」に具体的な方法が示されている。

ワイヤロープの張力測定

 吊り橋などの建築構造物に使われているワイヤロープは、定期的に健全性診断を行うために振動法による張力測定が行われる。ワイヤロープに加速度センサーを取り付けて、ハンマーでたたくことによって固有振動数を求め、計算によって張力を得る。

図3:建築構造物に使われるワイヤロープの張力測定 出典:外ケーブルの張力測定技術(神鋼鋼線工業のHP)

 ワイヤロープの張力を求める演算式は次の通りである。



 T:張力(N)、W:単位重量(g/m)、g:重力加速度(9.8m/sec2)、L:ロープの長さ(m)、f:固有振動数(Hz)、a、b:補正係数

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