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ワインセラー用の海外製電源の修理(前編)Wired, Weird(3/3 ページ)

» 2020年08月07日 10時00分 公開
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2.5Aのヒューズが断線、原因はやはり……

 その後、投稿者から追加の連絡があり、AC100Vの回路にヒシチューブで覆われていた2.5Aのヒューズが断線していたと連絡があった。送られてきたAC100Vのコネクター部分の基板と断線したヒューズの写真を図5に示す。

図5:AC100Vのコネクター部分の基板と断線したヒューズの写真

 図5左でヒューズは下側の電解コンデンサーのすぐそばにあり、断線していた。遮断電流は2.5Aだった。ヒューズの導線は黒く溶断しており、AC100Vが基板の中で短絡されているようだ。

 電源の出力側の過負荷でヒューズが切れたかもしれないというわずかな望みを抱いて、投稿主にヒューズを交換し電源基板を単体で再通電してもらったが『交換したヒューズが切れた』と連絡があった。やはり、整流回路の中にあるハーフブリッジの直列接続のトランジスターが過負荷で短絡破損しているようだ。投稿主にはこれ以上の対応は困難と思われたので、電源基板の送付を依頼した。

 基板が手元に届くまでに、メーカーへ問い合わせの連絡を入れようとワインセラーの型名をWebで調べたところ、このワインセラーの販売会社は倒産し、別の会社に業務を引き継いでいた。引き継いだ販売会社へメールで以下の問い合わせを入れた。

 この電源はAC200V仕様の電源と思われます。
 (AC200Vでは120W能力あり)

  • 理由
    • 200V120μFの電解コンデンサーが直列に接続されるハーフブリッジ回路であること
  • 能力
    • AC100V入力で電解コンデンサーは60μFしかないため、30W程度の能力しかないこと
  • 現象
    • 消費電力が90Wとなっており負荷が30Wを超えると入力電流が急増し、スイッチング素子が過熱し、素子が短絡して2.5Aのヒューズが切れたものと思われること

以上のことから、電源メーカーに電源の使用電圧を確認した方が良いと思います。

 電源基板が届いたが予想したところが案の上、破損していた。そして、ワインセラー販売会社からメールの返信も入手できた。電源の修理結果と、ワインセラー販売会社からの回答は次回に報告したい。

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