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ワインセラー用の海外製電源の修理(後編)Wired, Weird(1/3 ページ)

SNS経由で相談を受けた海外製ワインセラーの電源の故障に関する報告の続きだ。基板を手元に取り寄せたので、部品の交換に取り掛かろう。

» 2020年09月03日 10時00分 公開

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 前回に引き続き、SNS経由で相談されたワインセラーの電源不良調査の続きだ。依頼主が自ら切れたヒューズを交換したが、再通電したらまたヒューズが切れてしまった。送付されてきた基板の写真を図1に示す。

図1:送付されてきた基板(左:部品面、右:ハンダ面)

 図1で基板にハンダ付けされたヒューズが黒く変色して、断線していることが分かる。これは交換したヒューズだが、この現象から一次電源の整流回路が短絡していると思われたので回路の短絡をテスターで確認した。図2に示す。

図2:回路の短絡をテスターで確認

 図2で一次側の整流回路が約28Ωで短絡していた。直列接続のトランジスタが2つとも短絡しているようだ。基板に実装された整流回路の部品をテスターで調べたら整流用のダイオード2個とトランジスタ2個の短絡が確認できた。赤四角で示した残り2個のダイオードも外した方が良かったかもしれない。また基板のハンダ面に『0757-83835908』の基板の番号が読めた。不良部品を外した基板と外した部品の写真を図3に示す。

図3:不良部品を外した基板と取り外した部品(下)

 図3でトランジスタ、ダイオードの他、電解コンデンサーも劣化の確認のため外した。外した個々の部品をテスターで測定した。結果を図4に示す。

図4:取り外したそれぞれの部品を測定。上図のトランジスタとダイオードは短絡。下図の電解コンデンサーは短絡していなかったが、少し劣化していた

 図4の上でトランジスタとダイオードが短絡していた。図4の下で電解コンデンサーは短絡していなかったが少し劣化しており、容量は100μF未満でESRは100Ωを超えていた。電源部の基板の表面は茶色に変色しておりトランジスタが過熱したことがよく分かった。

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