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» 2020年09月17日 11時00分 公開

DC-DCコンバーター活用講座(38):LEDの特性(3)熱に関する検討や温度ディレーティング (1/3)

前回に引き続きLEDの特性に関して説明していきます。今回は、熱に関する検討および温度ディレーティングなどに関して解説します。

[Steve Roberts(RECOM),EDN Japan]

熱に関する検討

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 高出力LEDの寿命をデータシートの値に近づけるには、十分な放熱が必要です。最初に考えるべきは、高効率のLEDがなぜ高熱になるのかということです。ルーメン効率が50ルーメン/W前後のLEDが、例えばその何分の一かの効率でしかない白熱灯より慎重な熱設計を必要とするというのは、直感的に奇妙に感じられます。

 以下の例はこれを理解する助けになるでしょう。いま、100Wのハロゲンライトの有効光が5Wであるとします。残り95Wの電力は消費されてしまい、その約80Wは赤外線として放出され、熱としてランプハウジングに伝導するのは15Wに過ぎません。50WのLEDも有効光は5Wです。しかし、残り45Wの電力が全て熱としてハウジングに伝導します。従って、LEDのルーメン効率が白熱灯の倍であっても、ハウジングは白熱灯使用時の3倍の熱に対応できるように設計する必要があります。

 白熱灯光源とLED光源のもう1つの重要な違いは、白熱灯の点灯は高温に依存するのに対し(フィラメントは最終的に白熱して発光します)、LEDの寿命は接合部温度が100℃を超えると急激に低下するという点です。

接合部温度 <100℃ 100-115℃ 115-125℃ >125℃
LED寿命 B50:50%残存率 1 3 7* 10*
表1:LEDの寿命と接合部温度
図1:LED光束とLED接合部温度

 高出力LEDでは、接合部温度が上昇するとルーメン効率が低下します。データシートに記載されている光束出力値は、通常、25℃における値です。

 通常、接合部温度が65℃になると光出力は10%低下し、100℃では20%の光量が失われます(図1)

 従って、適切に設計されたLEDランプは、約65℃の最大LEDベースプレート温度で動作します。LED温度が高くなりすぎないようにする方法の1つは、温度の上昇とともにLEDをディレーティングして使用することです。以下のセクションにいくつかの実用的な例を示します。

温度ディレーティング

 LEDがフル出力で定常的に動作するのは、ヒートシンク設計が適切で、周囲温度が適切な範囲内に維持されている場合に限ります。LEDのベースプレート温度が高くなり過ぎる場合は、内部消費電力を減らすための対策を講じる必要があります。

図2:代表的なLED温度ディレーティング曲線

 理想的なLED電流と温度の関係を図2に示します。LED電流は、メーカーが指定した最大動作温度まで一定に保たれています。LED温度が限界を超えると電流を減らして電力を減少させ、LEDの光量を減少させることで過熱を防ぎます。この曲線は「ディレーティング曲線」と呼ばれ、LEDが安全な消費電力限界内で動作するように維持します。上のグラフの55℃の「しきい値」温度はベースプレートまたはヒートシンクの温度で、LED自体の温度は通常これよりも15℃高い値(つまり70℃)となり、さらに内部接合部温度は35℃近く高い値(つまり90℃)になります。従って、高性能LEDランプでは最大65℃までの温度上昇が許容されますが、55℃が安全なフル出力の限界です。

LEDドライバへの自動サーマルディレーティング機能の追加

 LEDドライバが調光入力を備えている場合は、外付けの温度センサーと外部回路を追加して、図2に示すような所望のディレーティング特性を容易に追加することができます。

 RECOMのRCD-24シリーズLEDドライバには2つの異なる調光入力があることから、LEDドライバ回路に過熱保護機能を追加すさまざまな方法を、このドライバを使って説明します。

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