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» 2021年04月27日 13時00分 公開

5Gをさらに強化する「Release 16」、その新たな機能とは2020年7月に最終版が公開(1/3 ページ)

2020年7月に最終版が公開された3GPPの「Release 16」。同規格について、追加あるいは強化された機能を解説する。

[Jessy Cavazos(Keysight Technologies),EDN]

 5G New Radio(5G NR)は、急速に進化している規格です。2016年末のリリース15(Rel-15)の作業が始まった時に登場し、2018年半ばに完成し、現在は市場に導入されています。その後、リリース16(Rel-16)の作業が始まり、物理層の側面はパンデミック直前の2019年12月に完成、2020年7月に最終版が公開されました。

 通常、新しい世代の2回目のリリースでは、1回目のものに機能強化を加えるだけですが、Rel-16は大きく異なります。このリリースでは、容量や運用面での強化が導入されているだけでなく、5Gの適用範囲が新しい分野にまで拡大されているのです。

MIMOのアップデート

 ネットワークの容量や運用効率を向上させる機能強化や新しい機能の中でも、注目に値するのはMIMO(Multiple Input/Multiple Output:マルチ入力マルチ出力)の強化です。Rel-15では、LTE(Long Term Evolution)よりも大幅に優れたMIMOフレームワークが導入されたものの、いくつかの機能はリリースされませんでした。

 Rel-16では、この問題に対処するため、マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)に対応した新しいタイプのチャネル・ステート・インフォーメーション(CSI)レポートを提供し、ネットワーク上で、より多くのユーザー機器(UE)を使用できるようにすることで、容量の増加に貢献しています。

 加えて、Rel-16では、必要なシグナリングメカニズムを導入することで、複数送受信ポイント(multi-TRP)/パネル伝送を明示的にサポートしています。これには、非コヒーレントジョイント伝送のためのダウンリンク(DL)とアップリンク(UL)制御シグナリング、さらにレイテンシとシグナリングオーバーヘッドを低減するためのマルチビーム運用の強化が含まれています。

 電力に関するMIMOの強化も発表されています。フル伝送電力ULにより、部分的コヒーレントUEや、非コヒーレントUEなどの特定のUEは、全てのパワーアンプを自由に使用でき、ULでの伝送電力量を増加させることが可能になります。ソフトウェアをアップグレードするだけで、これらのUEに同機能を搭載できます。また、Rel-16では、新しい基準信号(RS)の設計が導入され、ピーク対平均電力比(PAPR)を下げることで、電力制限のあるシナリオでのセルエッジ性能を向上させます。

NR Unlicensed

 NR Unlicensed(NR-U)とは、Rel-16のもう1つの機能です。NRをライセンス不要(アンライセンス)の周波数帯で運用できるようにすることで、ネットワーク容量を増やすことができます。ただし、この機能は規制上の制約があるため、物理層チャネルを変更する必要があります。

 Rel-16には、以下の4つの実装シナリオが含まれています。

  1. ライセンス周波数帯の使用や、アンライセンス周波数帯を使用するコンポーネントキャリアのキャリアアグリゲーション(CA)
  2. ライセンス周波数帯ではLTE、アンライセンス周波数帯ではNRを使用するデュアルコネクティビティ(DC)
  3. アンライセンス周波数帯での完全なNR運用
  4. アンライセンス周波数帯にDL周波数、ライセンス周波数帯にUL周波数を配備したNRセル
図1:アンライセンス周波数帯でのNR運用には、4つのシナリオがある
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