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Octo SPIって何?Q&Aで学ぶマイコン講座(62)(2/3 ページ)

» 2021年05月31日 10時00分 公開

Octo SPI の特長

 Octo SPI は、本連載の第20回「Quad SPIって何?」で解説した「Quad SPI」の8ビット拡張版パラレル通信機能です。したがって、本記事の前に第20回の「Quad SPIって何?」を読んでいただくことをお勧めします。なお、本記事では、STマイクロエレクトロニクスの「STM32L4+シリーズ」に搭載されている「Octo SPI」を例にして解説します。

 Octo SPIインタフェースを使うと、マイコンは外部のSingle SPI(従来のSPI)、Dual SPI、Quad SPI、Dual Quad SPI、Octo SPIのメモリと通信することができます。Octo SPIで接続されるSPIメモリは、メモリ空間上にマッピングされているため、マイコンはシステムの他のメモリと同様にアクセスして、読み出しや書き込みを行えます。

 わずか数本のピンでシリアル外部メモリを簡単に接続できることが大きな特長です。これにより、アプリケーションにおいてフラッシュメモリやRAMなどのメモリの増設が必要になった場合、既存のプロジェクトにSPIメモリの外部メモリを簡単に組み込むことができます。

 Octo SPIインタフェースは、1つのデータレーンから最大8つのデータラインまで、あらゆるSPIメモリに対応するフレームフォーマットの構成です。第20回「Quad SPIって何?」で解説した「Quad SPI」と同様に、ユーザーは各フェーズの有効化/無効化、各フェーズの長さの設定、各フェーズで使用するライン数の設定(1〜8)を行えます。RWDS信号は、書き込み時にはライトストローブとして、読み出し時にはリードクオリファイとして機能します(図2

図2:Octo SPIの特長

ハードウェア・インタフェース

 インタフェースは、次の信号ラインで構成されます。

  • チップセレクト用 OCTOSPI_nCSライン
  • クロック用のOCTOSPI_CLKライン
  • OCTOSPI_nCLK
  • データストローブ用のOCTOSPI_DQSライン
  • データ用のOCTOSPI_IO[0〜7]ライン

 クロックやチップセレクト信号ラインは、基本的にどの場合でも同じですが、データラインの扱いは異なります。Quad SPIとして使う場合は4レーンのみ使用し、Octo SPIとして使う場合は8レーン使用します。Dual Quad SPIとして使う場合は、8レーンを2つに分け、それぞれを2つのQuad SPIメモリに接続します(図3

図3:Octo SPIの信号ライン
STM32L4Rxxx and STM32L4Sxxxリファレンスマニュアル(RM0432)から抜粋

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