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» 2006年11月01日 00時00分 公開

より“賢いビル”の実現を目指し:オープン化へと向かうビルオートメーション技術 (3/4)

[Warren Webb,EDN]

オープン技術に対応した製品

 すでに数社の半導体メーカーが、ZigBeeに準拠したチップや開発ツールを提供している。例えば、ノルウェーChipcon社(米Texas Instruments社が買収済み)のRFトランシーバIC「CC2420」は、2.4GHz帯アプリケーションをターゲットとした低コスト、低消費電力の製品である(図1)。相互運用性を確保するために、IEEE 802.15.4とZigBeeの両方に準拠している。

 CC2420は、低コストのホストプロセッサをターゲットとし、パケット処理、データバッファリング、バースト送信、アドレス認識、クリアチャンネルアセスメント、リンク品質表示といった機能をサポートする。また、データの暗号化、データの認証のためのハードウエアを内蔵しているので、セキュリティが求められるアプリケーションでも利用できる。有効データ通信速度が250kビット/秒のDSSSモデムを内蔵しており、FFD/RFDのどちらにも対応できる。消費電流は17mA〜18mAで、出力電力はユーザーがプログラム可能である。出力電力が0dBmおよび10dBmのリファレンスデザインがChipcon社から提供されている。

図1 CC2420のブロック図 図1 CC2420のブロック図 

XMLによるデータ表現

 ビルオートメーションの相互運用性が高まるに連れ、要求や命令、データをシステム間でやり取りするための標準的な言語の必要性が高まった。そのような言語として、XML(extensible markup language)がよく利用されている。XMLのデータは基本的にプレーンテキストであり、その構文はHTML(hypertext markup language)に似ている。HTMLと同様に、XMLでもデータをタグで囲むが、HTMLとは大きな違いがある。HTMLのタグは、それによって囲まれた部分をウェブブラウザ上でどのように表示するかを指定するためのものである。それに対し、XMLのタグで囲まれた部分がどのように扱われるかは、アプリケーションごとに異なる。しかも、XML仕様を満たした独自の言語(タグセット)を定義することもできる。その名の通り、拡張可能な点がXMLの大きな特徴である。

 いくつかのメーカーは、ビル管理用の製品にXMLを採用している。例えば、米Johnson Controls社のXMLベースのビル管理システム「Metasys」は、あらゆる気温、湿度、電力負荷に対応する。米連邦政府は最近、新しい米国議会図書館の映画放送録音物部の複合ビルで、屋内環境を管理するシステムを構築するために、同社と契約を交わした。硝酸銀を使用するフィルムに記録された映画は、品質が容易に劣化し、室温で爆発する危険性がある。このようなシステムでは、複雑な環境制御が必須である。

 また、米エネルギー省のローレンスバークレー国立研究所は、電力価格の高騰や、停電、電力網に対する過度な需要などが発生した場合に消費電力を減少させる、自動需要対応システムの試験を実施した。これは、XMLをベースとした広域でのビルオートメーション機能の検証の一環である。その試験では、インターネット上でXMLデータをやり取りし、現在の電力価格を表示するようにした。価格が上昇すると、5つのビル施設から成るグループが計画に合わせて照明や空調の消費を抑える。この試験結果から、発電所や送電線に障害が発生した際、いくつかのメーカーのシステムがインターネット上の共通のXMLデータを参照しながら電力需要を低下させるといった調整が可能であることが示された。

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