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» 2019年02月12日 11時00分 公開

記録計/データロガーの基礎知識(3):温度センサーの種類と「熱電対」「測温抵抗体」の使い方 (1/4)

今回は記録計で測定する対象として最も多い温度について解説する。温度測定は研究開発から生産の現場まで応用範囲が幅広く、温度センサーの種類もさまざまあり、用途や測定対象に応じて選ぶ必要がある。利用頻度が高い熱電対と測温抵抗体を中心に解説する。

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 本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。

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 今回は記録計で測定する対象として最も多い温度について解説する。温度測定は研究開発から生産の現場まで応用範囲が幅広く、温度センサーの種類もさまざまあり、用途や測定対象に応じて選ぶ必要がある。利用頻度が高い熱電対と測温抵抗体を中心に解説する。

さまざまな温度センサー

 温度によって特性が変化することを利用して温度を測定する道具はさまざまある。ガラス棒状温度計、バイメタル温度計、圧力式温度計は測定値を目で見るだけの道具であり、一般に記録計に接続されることはないので今回の対象外とする。

 市場で使われている温度センサーとしては次のようなものがある。

【1】熱電対

金属の両端に温度差を与えると、両端間に電位差(起電力)が生じる効果(ゼーベック効果)を応用したセンサーである。熱電対にはさまざまな種類があり、主に使われる熱電対はJIS規格で特性が定められている。

【2】測温抵抗体

温度によって金属の抵抗値か変化する特性を用いたセンサーである。測温抵抗体には白金、ニッケル、銅などが使われる。特殊なものとしては極低温測定に使われる白金・コバルト測温抵抗体がある。主に使われる白金測温抵抗体はJIS規格で特性が定められている。

【3】サーミスタ

温度によって抵抗値が変化する半導体であるサーミスタを使用したセンサーである。サーミスタのうち、温度測定に使えるのはNTCサーミスタである。サーミスタは小型であるため、電子機器の温度監視や電子体温計などに使われる場合が多い。

【4】半導体(トランジスタ、ダイオード)

トランジスタやダイオードの温度特性を利用したセンサーである。簡単な回路で実現できるため、基準接点補償回路に組み込まれて使われる場合が多い。

【5】水晶振動子

水晶を温度変化によって発振周波数の変動が大きくなるようカットし、その固有振動数を測定することによって温度が分かる。分解能が高い温度測定ができるため、精密温度測定の分野で使われている。

【6】塩素酸カリウム

塩素酸カリウムの中の原子Cl35の核四重極共鳴吸収現象における共鳴吸収周波数(NQR周波数)は温度に依存するため、極めて精密な温度測定ができる。

図1:NQR標準温度計 Type2571(1978年発売) 出典:横河電機

【7】赤外線

物体から放射される赤外線量は温度に依存している。そのため、赤外線量を測定することによって温度を非接触で測定できる。ただ、物体によって放射率が異なるため高精度の温度測定は難しい。 赤外線カメラを使えば二次元の温度測定が可能となる。

【8】蛍光材料

光ファイバー先端につけられた蛍光材料を外部から光を当てて蛍光した後、消光するまでの時間が温度に依存している特性を使って温度測定を行う。光ファイバーと蛍光材料で温度を測定ができるため、電気的に絶縁された測定を行える。このため、半導体製造装置や電子レンジなど熱伝対を使って温度測定できない環境で用いられる。

【9】光ファイバー

光ファイバーに入射した光の後方散乱光のうち、ラマン散乱による光の強度は温度に依存する。また光が戻る時間を測定すれば光ファイバー入射端からの距離が分かる。異常な温度が発生している場所を特定することが得意なため、プラントなど大型設備の異常検出などに使われる。

図2:光ファイバー温度センサー「DTSX200」(2011年発売) 出典:横河電機

 この他にも超音波や熱雑音を用いた温度計がある。

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