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» 2019年06月24日 11時00分 公開

中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(32):フィルムキャパシター(2)―― メタライズド品の特徴と構造 (3/4)

[加藤博二(Sifoen),EDN Japan]

設計ディレーティング

寿命因子

 フィルムキャパシターには湿式アルミ電解コンデンサーのような摩耗故障的な寿命という概念はありませんが、有機物で構成されているため温度依存と絶縁依存の面での寿命があり、JEITA RCR-2350Bには寿命時間計算式として1式が提示されています。

(L0, V0, T0は寿命、印加電圧、表面温度の保証値 LX,VX,TXは評価時のそれぞれの値)

ここでnは電圧加速係数で3〜5(4〜7とも)、θは温度加速係数で10〜20が用いられていますが詳しくはメーカーに問い合わせることが必要です。

 一般にはn=5、θ=10を用いる場合が多く、電圧5乗則は絶縁構造の汎用的な加速式として用いられることが多いので覚えておいても良いでしょう。MIL-HDBK-271Fでもn=5を採用しています。
 また湿度はフィルムの寿命に影響すると考えられていますが明確な換算式は確立されていないようです。MIL-HDBK-271Fでも湿度は使用環境として考慮されているだけです。


図3:デイレーティングの考え方

 表2図3にこのような考え方による温度と電圧の動作領域の考え方を記します。ここではダメージが残り、寿命に影響する項目については定常時80% (測定誤差10%、マージン10%)、過渡時90% (測定誤差10%)としています。
 温度測定には後述する表3の注意事項を前提に5Kの誤差(セット、熱電対貼り付け、など)を見込んでください。

表2:ディレーティング例
表3:温度上昇測定時の注意事項

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