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プログラマブル直流安定化電源の市場動向や種類プログラマブル直流安定化電源の基礎知識(1)(2/5 ページ)

» 2019年09月20日 11時00分 公開
[TechEyesOnline]

直流電源を取巻く市場動向

直流を必要とする機器

 交流はトランスで簡単に電圧を変更することができるので、送配電に適している。交流をそのまま使える身近な電気器具は、白熱電球や誘導電動機など限られたものになっている。多くの電気製品は交流を直流に変換して利用している。

用途 直流電圧
デジタルICへの給電 1〜5V
携帯電話、スマートフォン電池 3.8V
USB直流給電 5V
ACアダプター 3〜24V
LED照明用外部電源 6〜200V
データセンター直流給電 12V、48V
通信機器駆動用電源 48V
自動車電源 12〜48V
船舶直流給電 24V
鉄道車両用補助直流電源 24V、100V
航空機直流給電 14V、28V、270V
HVDCバス給電(データセンターなど) 300〜400V
ハイブリッド車パワーユニット 274〜650V
電気自動車用急速充電器 360〜1000V
直流電車給電 600〜1500V
メガソーラー用パワーコンディショナー入力 600〜1500V
直流高圧送電 125kV〜500kV
表1:主な直流電源の利用と電圧

 最近はハイブリッド自動車や電気自動車の開発が活発となり、高電圧で大電流を扱う用途が増えている。また、再生可能エネルギー分野では太陽光発電の普及が今後とも期待されている。

低電圧化が進む電子機器

 1960年代初頭に登場した初期のデジタルICであるRTL(Resistor Transistor Logic)やDTL(Diode-transistor logic)は12Vの電源で動作していたが、1960年代中ごろに登場したTTL(Transistor Transistor Logic)では5Vとなった。しばらくは5Vで動作するデジタルICが使われてきたが、その後、低電圧化が進んでいった。

図8:電源電圧の許容範囲が狭くなる 出典:ザインエレクトロニクスの資料

 製造プロセスの微細化高集積化によりデバイスのパフォーマンスは向上しているが、電源にとっては低電圧大電流となり、今まで以上の安定度が要求される。計測用電源においても半導体デバイスの低電圧化に伴い、安定度の高い電源が要求されている。

自動車のエレクトロニクス化

 1960年代に乗用車に真空管式のAMラジオが搭載されたのが、本格的なカーエレクトロニクスの始まりである。2度のオイルショックにより石油価格が高騰して、燃費のよい自動車が求められるようになったため、1970年代後半には最適な燃焼制御を行うための電子制御回路を搭載した自動車が多く作られるようになった。

最近では快適で安全に運転ができるように、さまざまな電子機器が自動車に搭載されるようになっている。今後は自動運転など、より高度な制御を行うための電子機器の搭載がさらに増えると予測される。

図9:車載組み込みシステム 出典:組込みシステム技術協会HP

 エネルギーの有効利用の観点でハイブリッド自動車が普及し、駆動のためのモーターが自動車に組み込まれるようになった。これにより、直流電源に新たに大容量化の要求が生じた。

 自動車は人を乗せて「安全」に移動できることが最も重要であるため、自動車に搭載された電子回路は誤動作を生じない保障が必要となる。自動車内の電源環境は、エンジンを始動するためのスターターモーター、ヘッドランプ、エアコンなどが起動したとき、供給電圧が大きく変動する。このため、自動車に搭載する電子機器は国際規格に従った電源環境試験が必要となっている。

再生可能エネルギー

 地球温暖化対策のため、世界中で再生可能エネルギー利用の拡大は進んでいる。日本国内では太陽光発電が急速に普及した。今後とも環境、エネルギーへの関心の高まりにより市場が拡大すると期待されている。

図10:2050年までの太陽光発電の累積稼働見通し(国内) 出典:太陽光発電協会発行「太陽光発電2050 年の黎明(2017年6月)」

 太陽光発電では、太陽電池で得た直流を交流に変換するパワーコンディショナーが使われる。パワーコンディショナーを評価するためには、太陽電池を模擬する直流電源が必要となる。パワーコンディショナーは住宅用の小型のものからメガソーラーに使われる大型のものまであるため、利用される直流電源の容量や電圧はさまざまとなる。

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