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» 2020年04月30日 11時00分 公開

DC-CDコンバーター活用講座(33):DCDCコンバーターの信頼性(4)コンデンサーの信頼性 (1/5)

前回に引き続き、DC-DCコンバーターの信頼性に関して説明していきます。今回は、DCDCコンバーターに使用される、積層セラミックコンデンサー(MLCC)やタンタルまたは電解コンデンサーの信頼性について解説します。

[Steve Roberts(RECOM),EDN Japan]

 DC-DCコンバーターには通常、積層セラミックコンデンサー(MLCC)か、タンタルまたは電解コンデンサーが使用されます。SMDポリエステルフィルムコンデンサーというものもありますが、一般的に大きすぎ、エレクトロニクス業界で求められるような小型のケースには収まりません。

MLCC

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 積層セラミック・コンデンサー(MLCC)は、DC-DC電源内のコンデンサーとしては最も広く使われているタイプのコンデンサーです。MLCCは体積容量が高く、無極性であり、ESRとESIは非常に低く、広い範囲の周波数と温度にわたり安定した容量定格をもっているので、フィルタリング用途と蓄電用途のどちらにも有用です。しかしMLCCは、最大電圧限界を超えて動作させると簡単に故障してしまいます。電圧の上限に関する制約は、多数の金属層を薄いセラミック絶縁体で分離しているという構造に起因します。もしどこかの層間で弧絡が起こると、電解コンデンサーと違って自己修復機能がないために損傷を回復させることができず、MLCCは瞬時に故障に至ります。

図1:MLCCの弧絡 出典:RECOM

 そのため設計基準は、非常に短い時間であれMLCCが過剰な電気的ストレス(EOS)にさらされることがないようなものでなければなりません。ほとんどのメーカーが生産時に定格電圧でコンデンサーを100%テストしていますが、だからといってコンデンサーが全定格電圧で安全に使えるというわけではありません。

 EOSは定格を超えると三乗則に従うため、実用的な設計限界は、メーカーが定めるDCまたは低周波AC電圧の定格値の50%でしょう。もしコンデンサーを通過する信号が共振周波数に近ければ、注意が必要です。なぜなら、局所的な加熱や初期故障を引き起こすからです。自己発熱による内部温度の上昇は、20℃未満でなければなりません。

 MLCCで発生する可能性のあるもう1つの共振現象は、セラミック層間にまたがる圧電現象による可聴ノイズです。もし可聴共振周波数がコンデンサーを通過するAC波形と一致すると、コンデンサーはキンキンと音をたて始めることがあります。これを防止するには、より高いまたは低い可聴共振をもつサイズの異なるMLCCを使います。メーカーによると、コンデンサーが音を立てたからといって信頼性に悪影響がでることはありませんが、多くの顧客がうるさい電源を好まないことは明らかです。

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