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» 2021年08月17日 10時00分 公開

スペクトラムアナライザーの概要と種類スペクトラムアナライザーの基礎知識(1)(4/5 ページ)

[TechEyesOnline]

スペクトラムアナライザーの形状

 スペクトラムアナライザーは研究開発、設計、生産、保守点検、装置組み込みなど目的にあったさまざまな形状がある。

図15:スペクトラムアナライザーの形状による分類

ベンチトップ型

 研究開発、設計、生産の現場で卓上やラックに組み込んで使用するタイプである。研究開発や設計に使われるスペクトラムアナライザーは一般に高機能、高性能である。生産に使われるスペクトラムアナライザーはコストパフォーマンスが重視されたものである。

 ベンチトップ型のスペクトラムアナライザーは操作パネルがあり、画面に測定結果が表示される。最近のスペクトラムアナライザーは高機能であるため、さまざまな情報が大きな画面に表示される。

 ベンチトップ型の製品は性能や搭載する機能によって種類が豊富にあるため、用途に応じた製品を選ぶ必要がある。

 まず、性能による比較を行い信号観測に要求される性能を保有している製品を選ぶ。下表はアンリツのベンチトップ型の製品を性能によって比較した表である。

表2:アンリツのベンチトップ型スペクトラムアナライザーの性能別機種選定表
MS2850A-047/046 MS2840A-040/041 MS2840A-044/046 MS2830A-040/041/
043
MS2830A-044/045 MS2690A/
91A/92A
周波数範囲 9kHz〜32GHz/44.5GHz 9kHz〜3.6GHz/6GHz 9kHz〜26.5GHz/
44.5GHz
9kHz〜3.6GHz/6GHz/
13.5GHz
9kHz〜26.5GHz/43GHz 50Hz〜6GHz/13.5GHz/
26.5GHz
位相雑音(1GHz、10kHzオフセット) 123dBc/Hz 133dBc/Hz*1(500MHz、10kHzオフセット) 123dBc/Hz 118dBc/Hz*1(500MHz、10kHzオフセット) 115dBc/Hz(500MHz、100kHzオフセット) 116dBc/Hz(2GHz、100kHzオフセット)
TOI(1GHz、プリアンプ無)
(TOI:2信号3次ひずみ)
+16dBm +16dBm +16dBm +15dBm +15dBm +22dBm
表示平均ノイズ 1GHz、プリアンプ無 150dBm/Hz 151dBm/Hz 150dBm/Hz 151dBm/Hz 150dBm/Hz 155dBm/Hz
1GHz、プリアンプ有 164dBm/Hz 165dBm/Hz 164dBm/Hz 162dBm/Hz 161dBm/Hz 166dBm/Hz
5GHz、プリアンプ無 144dBm/Hz 146dBm/Hz 144dBm/Hz 146dBm/Hz 144dBm/Hz 152dBm/Hz
標準アッテネータのレンジ/ステップ 60dB/2dBステップ 60dB/2dBステップ 60dB/10dBステップ 60dB/2dBステップ 60dB/2dBステップ(044)10dBステップ(045) 60dB/2dBステップ
全振幅確度 ±0.5dB ±0.5dB ±0.5dB ±0.5dB ±0.5dB ±0.5dB
分解能帯域幅 SPA 1Hz10MHz 1Hz31.25MHz 1Hz31.25MHz(044)10MHz(046) 1Hz31.25MHz*1 1Hz31.25MHz*1(044)10MHz(045) 30Hz31.25MHz
VSA VSA:1Hz10MHz*1 1Hz10MHz 1Hz10MHz 1Hz10MHz*1 1Hz10MHz*1 1Hz10MHz*1
解析帯域幅(標準) 255MHz 31.25MHz 31.25MHz 31.25MHz
最大解析帯域幅(オプション) 1GHz 125MHz 125MHz 125MHz 125MHz 125MHz
最大デジタイズ時間(10MHzスパン) 5秒 5秒 5秒 5秒 5秒 5秒(標準)4時間(オプション)
*1:オプション使用時

 スペクトラムアナライザーの利用目的が明確であれば、測定器メーカーが用途ごとに推奨する製品から選ぶ方法もある。下表はアンリツが用途ごとに別けて推奨している製品を示したものである。

表3:アンリツのベンチトップ型スペクトラムアナライザーの対象市場別推奨機種リスト
市場 対象DUT 開発/製造 MS2850A
シリーズ
MS2840A
シリーズ
MS2830A
シリーズ
MS2690A/
91A/92A
セルラー基地局
- 3GPP LTE、W-CDMA/
HSPA、GSM/EDGE…
RFデバイス/
モジュール
開発、製造
基地局 開発
製造 *2
セルラーハンドセット
- 3GPP LTE、W-CDMA/
HSPA、GSM/EDGE…
RFデバイス/
モジュール
開発、製造 *2
携帯端末 開発 *2
製造 *2  
無線LAN RFデバイス/
モジュール
製造 *2
公共、防災無線
- RCR STD-39、
ARIB STD-T61/T79/T86/
T98/T102/T115/T116
マイクロウェーブリンク
その他通信
放送
- ISDB-Tmm、ISDB-T、
ISDB-Tsb
研究
大学・教育
アナログ無線(FM/AM/ΦM)  
*2:変調解析を除くスペクトラム測定に利用できる

ポータブル型

 ポータブル型は、主に通信設備や放送設備の保守点検や電波環境の観測を行うために作られたスペクトラムアナライザーである。屋外で利用するためバッテリー駆動であり、人が手に持って移動しながら利用するため小型、軽量になっている。

図16:ポータブル型のスペクトラムアナライザー MS2090A 提供:アンリツ

 最近ではノートPCやタブレットとUSBケーブルで接続して使う操作パネルのないスペクトラムアナライザーが登場してきている。スペクトラムアナライザー本体がコンパクトになるため持ち運びしやすくなるメリットがある。

図17:タブレットと組合せて使うUSB接続されたスペクトラムアナライザー MS2760A 提供:アンリツ

モジュール型

 モジュール型のスペクトラムアナライザーは、イーサネット経由の制御を行う遠隔監視に使われる。顧客の使い方に合わせた製品の提供となるため形状は異なる。屋外設置のモジュール型スペクトラムアナライザーは長期に渡って厳しい環境で使われるため、耐環境性能が優れた製品となっている。

 モジュール型スペクトラムアナライザーは主に電波環境や通信設備の常時監視に使われる。

図18:モジュール型スペクトラムアナライザー MS27102A 提供:アンリツ

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