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» 2021年09月16日 10時00分 公開

回転ブラシが回らなくなった掃除機の修理【前編】Wired, Weird(1/2 ページ)

電動の回転ブラシが回らなくなった掃除機の修理を依頼された。今回から2回にわたって、修理の様子を報告していこう。

[山平豊(Rimos),EDN Japan]

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 友人からメッセンジャーで連絡が入った。

我が家の掃除機の先端ブラシが動きません。テスターで調べると電圧が出ていない。修理可能でしょうか? メーカーからは“新品に買い替えろ”との返事でした。

 面白そうな内容だったので掃除機の引き受けた。

 著名なメーカーなので写真で社名を隠す必要はないだろう。現品の写真を図1に示す。

図1:修理を依頼された掃除機 (クリックで拡大)

 図1で先端に電動ブラシ、中央にゴミ吸引のフィルター、手前にバッテリーと電源部がある。この掃除機はバッテリーで動作させる掃除機で電動ブラシを回転させてゴミを巻き上げ、取り出したゴミを吸引してフィルターでトラップする構造になっていた。

 依頼品はバッテリーの上にある電源スイッチを押したら吸引動作したが、電動ブラシは動作しなかった。電動ブラシのコネクターの端子に直接に安定化電源でDC6Vを印加すると、2A程度の消費電流で電動ブラシは正常に動作した。ブラシモーターは壊れていなかった。

接触不良か、駆動回路の故障か

 分解修理の前に故障の原因を推定した。推定原因は①コネクターの接触不良、②電源部のモーターの駆動回路の故障、が考えられた。ブラシモーターが回ると数アンペアの電流が流れ、接点表面の絶縁膜は破壊されるので接触不良の可能性は低い。可能性が最も高いのは、ブラシモーターがロックした時に過電流が流れてモーターの駆動回路が過熱破損したことだ。念のためにコネクターの接触不良を確認した。フィルターを取り外したら、ブラシモーターのコネクターが見えたのでトランジスタテスターで測定した。図2に示す。

図2:ブラシモーターのコネクターにテスターを接続し測定 (クリックで拡大)

 図2左でモーターとコネクターの抵抗を測定すると7.7Ω程度だった。図2右は端子に8.3Vの電圧を印加したら電流は3A程度が流れ、電動ブラシは正常に回転した。予想通り、コネクターの接触不良ではなかった。

 掃除機のバッテリーの電圧は21Vで、直接電圧を印加するとブラシモーターが過熱する。ダウンコンバーターで8Vに設定し電動ブラシに印加してみると20.5Vの安定化電源の電流は0.6A程度で正常に動作した。この方法が最も電力の損失は少ない。図3に示す。

図3:DC-DCコンバーター部 (クリックで拡大)

 図3中央のDC-DCコンバーターは20mm角の基板で3A供給が可能だ。1分間ほどブラシを回転させたが、ほとんど発熱はなかった。この基板が使えれば最善の修理ができる。

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