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» 2011年05月13日 00時00分 UPDATE

ジッタ

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ジッタ

 ジッタ(Jitter)とは、信号波形の時間軸方向に発生する非常に時間的に短い変動(揺らぎ)成分のこと。アナログ信号でも、デジタル信号でも起こり得る現象である。

図1 図1 マスク・テスト
高速なデジタル信号波形を多数サンプリングして、重ね合わせてグラフィカル表示したアイ・パターンで、中央に十分な空間が確保できているか、いないかを判定する試験である。これに合格しないと、相互接続性を担保できない。

 最近になって、電子機器設計者の間で、ジッタに対する注目度が高まっている。Gビット/秒を超える高速デジタル・インタフェース、例えばGビットEthernetやシリアルATA、USB 3.0、DisplayPort、PCI Expressなどが当たり前の技術と化してきたからだ。こうしたデジタル・インタフェースを電子機器に搭載する際には、相互接続性(インターオペラビリティ)を確保するために、それぞれの規格で定められているテスト項目をパスする必要がある。このテスト項目の中で代表的なものがマスク・テストであり、このテストの合否を決めるカギを握っているのがジッタなのだ。

 マスク・テストとは、高速なデジタル信号波形を多数サンプリングして、重ね合わせてグラフィカル表示したアイ・パターンにおいて、中央部が十分に空いているかいないかを判定するもの(図1)。アイ・パターンが閉じていると、データを正しく伝送することはできない。アイ・パターンが閉じてしまう理由は2つある。1つは、電圧振幅の減衰。もう1つは、時間軸方向の揺らぎである。時間軸方向の揺らぎは、すなわちジッタである。従って、マスク・テストに合格するには、ジッタを低減しなければならない。

ジッタにはさまざまな種類がある

図2 図2 ジッタの分類
ジッタと一口に言ってもいくつかの成分がある。各成分に分類すれば、ジッタを低減する作業が実行しやすくなる。

 ジッタと一口に言っても、原因はさまざまだ。その原因に応じて複数の種類がある。高速デジタル・インタフェースのマスク・テストをパスするためにジッタを低減する際は、ジッタの中身を詳細に分析して、原因を特定する必要がある。

 図2はジッタの分類図である。ジッタ(TJ:Total Jitter)は大きく2つに分けることができる。ランダム・ジッタ(RJ:Random Jitter)と確定的(デターミニスティック)ジッタ(DJ:Deterministic Jitter)である。

 確定的ジッタは、データやクロックなどの信号の挙動に依存して発生するものだ。同じデータ信号やクロック信号を使用すれば、常に同一のジッタが発生する。再現が可能なわけだ。従って、確定的ジッタのヒストグラムはガウシアン(正規)分布にならず境界がある。一方のランダム・ジッタは、サーマル・ノイズやショット・ノイズ、PLL(位相同期ループ)回路で発生する位相雑音など、物理的な要因で発生するものだ。従って、いつ、どの程度の大きさで発生するかを把握することができず、ヒストグラムは境界のないガウシアン分布状になる。

 確定的ジッタは、さらに2つに分けることが可能だ。1つは、周期的ジッタ(PJ:Periodic Jitter)。一定の周波数で繰り返されるジッタである。発生の主要因は、クロストークと電源ノイズである。

 2つめは、データ依存性ジッタ(DDJ:Data Dependent Jitter)である。この発生原因は2種類ある。デューティ・サイクル歪み(DCD:Duty Cycle Distortion)とシンボル間干渉(ISI)である。デューティ・サイクル歪みは、半導体チップにおけるスレッショルド値の変動などが原因で発生する。シンボル間干渉は、伝送線路(メディア)の帯域幅が十分ではないときに、信号の立ち上がり時間や降下時間が制限を受けることで発生するものだ。

イコライザでジッタを低減

 ジッタを低減する手法は、その成分によって異なる。例えば、シンボル間干渉によるジッタであれば、高速デジタル・インタフェースの受信器(レシーバ)に、イコライザ(等化器)搭載品を採用すれば、低減することが可能だ。具体的な製品例としては、米National Semiconductor社のLVDSバッファIC「DS25BR110」がある。このICは、3.125Gビット/秒の伝送速度に対応しており、4レベルのイコライザを内蔵する。


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アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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